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あと10年 <010>
仕事を辞めたいと会社に伝えて1ヶ月以上が経過した。GWも挟んで、どこも混んでるであろうと連休は遠出せず、近所の川沿いなどを走りながら、少し落ち着いて、今後の生き方について考える時間ができた。
ふと、思い返す。昔の自分は、人生についてどう考えていたか。そこで日記の存在を思い出した。かなり長い期間、自分のサイトで連載し、その後ははてなダイアリーで書き続けていたのだ。しかし、Web上にデータ化されたものは、アーカイブを残さないと失われてしまう。あれだけ長いこと記録していた僕の日記も、結局消えてしまった。でも、紙で残していたものもある。邪界ニドヘグの成り立ちと同様、自分以外の誰かに見せるつもりのないノートだ。
「10年後の僕へ」と題された、日記というよりはアイデアメモに近く、当時18歳の自分が書いたものだ。10年どころではない過去の自分が、大人になってどんな人生を目指していたが拙い文章で綴られている。生意気なことも書いているが「過去の自分がしたことだから大目にみてほしい」とも断られていた。
18歳の視点で、当時ハマっていたもの、欲しかったもの、交友関係など、どれも懐かしい。ショート小説や挿絵、ぱらぱら漫画まで書かれていて、毎日名言の引用などのコーナーまであった。友人たちと自転車で何時間もかけて湘南まで行って砂浜で一晩過ごしたこと、その自転車に名前をつけていたこと、当時の食べていたものの値段まで記録があり、いろいろと思いを馳せてしまう。将来のことより、今やりたいことをやり、作りたいものをつくる、そんな時代だった。
あの頃に戻ろう。あと10年だけでも…。
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