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ニコスケッチ#7 坂を描く 2023

★ 描くとなぜ坂道に見えないの?
★ 基準になる水平垂直が描けてないから…

  • 検索すると坂道の描き方は透視図法で説明されます。それに間違いないです。坂道は他と別に消失点があるのです。

  • でも透視図法は難しくてよく分からないしそれだけでは描けない…何かしっくりこないことないですか?

ある風景

上の道、さてこれは平坦な道なのでしょうか? 坂道なのでしょうか? これだけでは分かりませんよね。これはある風景画像をトレスしてます。もう少しトレスしましょう。

道のワキに植栽をトレスしました。実はこの道、坂道なのですが坂に見えません。写真をトレスしたのに平坦な道にしか見えません。ワタシの描き方がまずいのでしょうか?

植栽のかわりに隣接する家屋を描き込みました。これで坂道らしくなりました。そして植栽も含め、家屋と左に石垣を描き込むと…

こうなると、より坂道らしくなりました。実際の景観は…

滋賀 坂本

透視図法では家屋の消失点と坂道の消失点が別にあって…なんて説明になります。ワタシ的に言えば、家屋が水平と垂直の基準を示し、その基準からズレた道が傾いて見えるってことです。そして気をつけたいのは、植栽や自然物だけでは水平垂直の基準になりずらいことです。家屋、石垣など人口物が基準になりやすいのです。

こんな感じで描きました。

理屈で言えば、道が水平で家屋が傾いて見えてもイイのに、そう見えないのは不思議と言えば不思議、ここに自然物では基準になりにくい理由が潜んでいます。

経験上、建物は垂直水平にあるってことを人は知っています。斜めの家屋はレアです。人は電柱をみたら垂直に立っていると思いこむのです。それに対して道は坂もあるよねってことを知ってます。
道と家屋などの人工物があってどちらかが傾いているとしたら、人は自動的に道が傾いてるように感じるのです。

自然は不定型のモノもあり、水平や垂直を示しにくいのです。それに対して人口物は、水平垂直の基準になりやすいのです。

風景を選ぶ

坂道は魅力的なモチーフです。ワタシは描くとき周りに水平垂直の基準になるモノを探します。あればラッキー、Goです。なければパスするか基準なしで描けるかチャレンジです。

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