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toys in the factory

toys in the factory
どこかにありそうなバンド名みたいじゃない?

工場で作られて出荷されていくおもちゃたち。
金髪碧眼の男の子を形どった人形。
買われた先で名前はケビンと付けられる。

女の子たちだって買われる。
女の子のいる店で、
シャツに残ったタバコの匂いや、お昼のお弁当の匂いで文句を言われて。

理想を求めるから失望するの?
生身の人に夢の中の好きな人を重ねるから、いつも最後にはケチがつくの?

人との出会いよりは別れの方をよく思い出す。
今日もまた生きてるうちに会うのが最後かもしれない人との「またね」があった。
別に対してよく知らない人だけれど、
お互いの人生の緩やかな接地面が終わりを迎えるのを感じて。

華やかな世界に羽ばたく人もいる。
院卒、大企業、エリートサラリーマン、海外。
女優、ラジオ、音楽、ドラマ、テレビの中の人になる。
でも家にテレビがないからもうその姿は見れない。

華やかなサクセスストーリーと、
地味で泥臭いサクセスストーリー。
渋めのストーリーは流行らない。

でも同じだけ努力してきた。
同じだけ成長してきたつもり。
始めた場所が違かっただけ。

友達んちの床で寝てる頃からずっとずっと、
もっとマシにならなくちゃって焦燥感だけ感じて。
どんどん道を外してく。
それでも自分だけの屋根と壁は手に入れた。
美学まではまだない。

それからふと歳を取ったことを感じる。
人が大きく変化した分、自分もそうだったってことを。

まだ変わらないのは
霞んだ視界と
荒んだ生活と。

あこがればかりの心。
強くないと優しくはなれない。

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