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別れ #8

それからのわたしたちは
やっぱり上手くいくわけもなく。

もともとマルは家賃にお金がかかるということで
アパートの2年契約を待って退去し、
実家に帰ることは決めていた。

半同棲生活を終えるのと同時に
1ヶ月間距離をあけることになった。

7年間、こんなに連絡を取らなかったことは
はじめてだった。

1ヶ月たっただろうか?
わたしが待ちきれずに、マルに連絡した。

「どうするか決めた?」

会って話すことになった。

わたしはマルへの別れの手紙を書いた。

…どうかこれを渡さなくてすみますように

小さな期待を胸に。


マルのひとり暮らしの家の近くの公園、
夜の車の中。


わたし「久しぶりだね」
   「どうするか考えてくれた?」

出だしはこんな感じだっただろうか。

マル「色々考えたけど、やっぱり…別れたいかな。
   人としてはすごく好きなんだけど、恋愛と
   してではない。…このまま一緒にいると
   ニコリのこと嫌いになりそうなのね…。

   恋愛経験も少ないし、もっと他の人も見て
   みたいって思うかも。また県外にも出たい
   し…。」


わたし「やだ。別れたくない。ずっと一緒にいた  
    じゃん…。」

マル (泣きながら首を横に振る)

涙が止まらないわたし。
正直、このときの会話は覚えてるつもりだったけど
今は少ししか思い出せない。

わたし「はぁ〜トイレ行ってくるわ!!」

明るく言ってみた。

マル (泣きながらわたしの手を握る)

わたし (泣く)

〜〜〜〜〜

マル「こうやって会うとやっぱり別れたくないっ
   て思うし。かわいいし。」

わたし (口を尖らせていじけた顔)

マル「そんなかわいい顔してもだめ!笑」

わたし「ちぇっ。笑」

わたし「はぁ。最後にさおいしいもの食べに行こ」

マル「おう!最後のデートや」


わたしたちはまずコンビニでアイスを買うことに。

わたしはピノを買った。
コンビニの駐車場の車の中で食べた。

フタを開けたらハートのピノが1個入っていた。

わたし「………泣」

マルに涙は見せなかった。

ハートのピノに『すき』の2文字を書いて
マルに食べさせた。淡い期待を込めて。

マルには内緒。


次にラーメン屋さんに向かった。

はじめて行くお店だ。

ラーメンが出来上がるまでにどうでもいい
話をしていた。

わたし「わたしさぁ、石原さとみみたいになるわ。
    化粧とか頑張って見返すわ」

マル「笑笑 おお、たのしみにしてるわ笑」

ラーメンが出来上がった。
いただきまーす!!

わたし マル 「まっず!!!!」

なんで最後のラーメンがこんな不味いん。
笑っちゃうよ。



それからわたしたちはホテルに向かった。

正直な話、7年間でレスになったことは1度もない。

週2〜3ぐらいしてたし
ケンカしたあとは仲直りセックスがお決まりだ。

行為の最中、涙が溢れてきた。
マルに泣くなよって言われた。
 
終わったあと一緒にお風呂に入った。

マルに脇を見せて
脱毛の効果を報告する。

どうでもいい会話をしてたっけ。

いつものお風呂の様子と変わらない。


お風呂から上がり2人でベッドでくつろいでいた。

わたし「写真撮ろー」

そう言ってカメラを内カメに向けた。

さっと画面から消えるマル。

マル「やめよう」

わたし「…。」

マル「ニコリはいい子だから
   すぐにいい人が見つかるよ。」

大泣きして、頭フル回転させて疲れた1日。
わたしは涙が出るのを感じながら眠りについた。

すぐに朝が来た。

朝マックをドライブスルー。

わたし「最後おごってもらおー!!」

マル「マジかよお前っ!お前とはもう
   絶対メシ食わん!!!」

なんて言いながら買ってくれた。

実家の近くのセブンイレブンの駐車場。
ここでお別れだ。

わたし「7年間ありがとね、」

   「これ後で読んで」

渡さなくていいようにと願った手紙を
マルに渡してわたしは去って行った。

たくさんの感謝と、思い出
すこしの未練を綴った。

季節は春を迎え、外は少しずつ暖かくなっていた。
2018年4月7日だったか9日だったか。
わたしたちは別れた。

つづく。


#過去の話 #恋愛 #別れ #元彼

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