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すれ違って行くふたり #4


ひとり旅はとてもたのしかった。
たまに旅先で撮った写真をマルに送って
いまここにいるよーとか共有していた。

マルもたのしそうに話を聞いてくれていた。

でもやっぱり、ひとりで行くことには
納得していなかったらしい。

このまま旅に行くなら
別れたいとまで言われた。
 
わたしにはその理由がわからなかった。

 
マルはゲームが趣味で
ヒマさえあればずっとゲームをしていた。
わたしが一緒にいるときも。

ついにはオンラインゲームを始め
知らない女の子と通話しながらゲームをしだした。

イライラと嫉妬したので、わたしが話しかけると
まるで隣に女がいるのを隠したいかのように
「しっ!!!」と静かにしろと合図された。


冷められる要素はいくらでもあった。

あの時のわたしは今思うと、ヤバい。

マルの方が稼いでいるのをいいことに
デート代はほとんどマル持ち。

わたしは車を持っていなかったため
優しいマルはお願いしたらお迎えにきてくれた。
にもかかわらず、時間より遅くなったら
不機嫌になるわたし。

可愛げなんてない。

マルの優しさに甘えていた。

付き合って6年の当時、
思いやりだとか感謝だとか
お互い持てなくなっていた。
 

わたしは周りの人たちに
笑顔をほめてもらえることが多い。

マルにも。

「あれ、わたし最近笑ったのいつだっけ?」


つづく。


#元彼 #過去の話 #恋愛

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