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くまのこうえん

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スランプ中の小説家十三マリーは、鬼編集者梅田麗子に、ある施設の潜入取材を依頼される。その施設で起こる信じられない出来事に、ショックを受けるマリーだが...
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記事一覧

第1章  依頼人 ポポ子ちゃん

スランプ状態に陥った小説家 十三マリー(じゅうそうまりー)は、ここ二日間、眠れずにいた。 …

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第2章  モンシロチョウのピアス

珍しく電車で出版社に向かったマリー。 iPhoneで、ネットニュースを確認していると、電車が急…

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第3章 イラストレーター 新地界

「まだ書けないの?」 窓際のデスクの上で、小瓶のお風呂に浸かりながら、ポポ子は言った。 …

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第4章 慈善の偽善

南海出版に呼ばれたマリー。 懐かしい打ち合わせ場所に通された。編集部の雑踏の脇に、小さな…

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第5章 潜入取材たってさぁ?!

新地界は、マリーの隣でスケッチを始め、鉛筆で、あっという間に描きあげた。 「僕のイメージ…

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第6章 いじめの渦に自ら飛び込むということ。

窓際のポポ子のお喋りが止まらない。マリーがまた小説を書くと聞いて、嬉しくてたまらないのだ…

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第7章 結ばれないのに愛情

「いじめられるのがしんどいの? 界がしんどいの?」 窓際のポポ子が、小瓶の中で泳ぎながら言った。 「ちゃんと、お水に顔つけて泳いでみなよ」 「いやーだよっ!」 これから、ずっと新地界と一緒だ。 施設の取材の間、ずっと。 界は、優しい。いつだって優しい。この2年、売れない一発屋小説家のわたしのことを、ずっとずっと優しく支えてくれている。 だらだら怠けて、ゴロゴロ寝そべって、お菓子ばかり食べて、パソコンに向かわないわたしでも、梅田麗子の悪口ばかり言い続けて、嫌な貧相

第8章 さいとうさんへの手紙

晴れ渡った空の下、十三マリーは田舎道を歩いていた。心なしか、そんなに重い気分でもない。き…

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第9章 丘の上の楽園

その福祉施設は、丘の上にあった。まるで、ヨーロッパの古城のような、煉瓦造りのその施設の門…

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第10章 正義が怖い

マリーは、事務所で本を読んでいた。この世界では有名で偉い人が書いたらしい本。 仕事だと思…

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第11章  蜘蛛を殺した朝

マリーが朝目覚めると、枕の横に、小さな蜘蛛の死骸があった。そっと指で摘み上げると、シーツ…

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第12章  惨めな気持ち

「最近のマリーったら、ブサイクになってきた!」 マリーが、アイスの棒で作ったブランコに乗…

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第13章 夢を笑う人々

セミがやかましい青空の下で、マリーは、思い余って、南海出版に電話をかけていた。何度か呼び…

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第14章 美味しい食事

「なんで!蕎麦なんですかぁ?!」 マリーは、ざる蕎麦をすすりながら文句を言っていた。 「何言ってんのよ!蕎麦は美容にいいのよ!!ルチンが入ってて、お肌ツルツル。あなた、肌ガッサガサじゃないの!」 梅田麗子は、満足そうに蕎麦をすすっていた。 「マリーは、蕎麦より、おフランス料理が食べたかったんだよねぇ」 マリーの横で、新地界が楽しそうに言った。マリーは、ギロッと界を睨むと、 「なんで!界がいるんだ!!」 と怒った。界は、それでもニコニコして、 「ちゃんと、外出届