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ネコとお花のともだち

ネコには、お花の顔をした大好きな大好きなともだちがいました。
そのともだちは、いつもまっくろなずきんをかぶり
やさしくネコのそばにいてくれました。

いつもやさしくて、おだやかな
そのともだちのことが、ネコは大好きでした。

ネコは、ずっとこのともだちと
一緒にいれるといいな、とそう思っていました。

だけど、ある日
ともだちは、はらはらと泣き出してしまいました。

「ネコくんごめんね、もうすぐお花が枯れてしまいそうなの」

「ネコくんとずっと一緒にいたかったけど」

「お花のなくなった自分でも、
ネコくんと一緒に笑って居られる自分だったらよかったのに」

ともだちから、はらり、はらり、と落ちる花は
とてもきれいで、とても悲しくて
ネコはなにも言えませんでした。

ともだちは、よわむしでごめんね、と泣いていました。

ともだちがたくさん泣いて、たくさん泣いて、
残ったのはからっぽになってしまったまっくろなずきんと、
ともだちの残したきれいな花でした。

ネコは、ともだちのずきんのなかのことを
考えたことがありませんでした。

ネコは1輪だけお花を拾い
まっくろなずきんと一緒に
ともだちのことを待つことにしました。

お花の向こうのともだちのことを
こんどはちゃんと見つけてあげたいと

こんどは一緒にお花を探しに行きたいと

そう思いながら
ネコはずっとともだちのことを待つことにしました。

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