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J-POP論・普段聴いている音楽と、商売としての音楽は別物として切り離すという、高度な割り切りに感服いたす

自分が普段聴いている音楽と商売としての音楽は別物として切り離すという高度な割り切りに感服いたす
①草野マサムネ
ラジオで「音楽大陸漫遊記」という番組をやっているのをたまたま聴いていたら、60年代のサイケやハードロックをいろいろ流していた。しかも名前すら聞いたことのない超マニアックなバンドばかりで驚いてしまった。スピッツのさわやかさに心酔している全国のOLが口をポカーンとしている様を想像して笑えてしまった。
音楽を探究する資質があるからこそ創作者としてやっていけるわけで、マニアックな趣味があることは当然といえば当然なのだが、本来の草野マサムネはスピッツの万人受けするイメージからはけっこう乖離しているのだろう。
②椎名林檎
先日あるインタビューで、
「本当はすっごい好きな音楽って自分の演奏しているようなのじゃない」
「デビュー前に大人たちから急に(資料を渡されて)こういったものを混ぜ合わせて作ってください、と言われた」
と告白していた。
椎名林檎の世界観に心酔しているプチメンヘラな女性たちが失望する様を想像して笑えてしまった。
椎名林檎に限ったことではないが、ミュージシャンは洋楽を主に聴いている人が多い。こうした趣味をストレートに表現することの方が簡単で、洋楽の体裁を歌謡曲やJPOPに取り入れて昇華して分かりやすーく、心地よーく提示するのは大変難しい。
それが出来る音楽的な才能があったり、演じる能力が備わっていても、本来あまり好きじゃない事を仕事として割り切れるかどうかで大きく差がつくと思っている。
しかもそれは、嘘のない割り切りでないとやってらんない。つまり仕事だから仕方なく、じゃなくて、好きこそ物の上手なれで、こんな事もできますよ〜どうですか〜?という高度な割り切りなのである。

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