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優しい気持ちになれる

推理小説を読むと
ゾクゾクする
2023年の本屋大賞1位
の本
「川のほとりに立つ者は」
は、読んだ後に
優しい気持ちになる
推理小説

レビューより

こうあるべき、
という
「正しさ」が呪いになる__
痛みや事情を
抱えた人の思いを
こまやかに
すくいあげた、
寺地はるなの
「読むデトックス」
の真骨頂。

寺地はるなの
小説を読むとき
いつも、
「当たり前」の危うさに
気付かされる。
自分が「普通」
と思っていたものが、
どれだけ
狭い知見の中で勝手に
編み出した
楼閣であったかが
炙り出される。
だからとても痛いはず
なのだけれど、
同時にとても心地よい。
それは、鋭いテーマを
優しさでくるんで
差し出してくれるからだろう。
新刊
「川のほとりに立つ者は」
もまた、
そんな痛みと心地よさに
満ちた物語である。

カフェの店長を務める
二九歳の
原田清瀬は、ある日、
突然病院からの電話を
受ける。
恋人の松木圭太が
大ケガをして意識不明だ
というのだ。
圭太は小学校時代からの
友人・岩井樹と一緒に
歩道橋から転落したという。
ケンカをしていたようだ
との目撃情報もあった。
しかし清瀬と圭太は
数ヶ月前に
ケンカをして以来、
連絡を絶っていた。
しかもそのケンカは圭太が
清瀬に頑なに
隠し事をしていたのが理由。
離れていた数ヶ月の間に、
いったい彼に
何があったのか。
圭太の部屋を
久しぶりに訪れた清瀬は、
そこで三冊の
ノートを見つける。
そこには圭太が
隠したかった「真実」
が書かれていて……。

と、導入部を
まとめてはみたものの、
これでは何も
語っていないのだ。
たとえばカフェの店員
「使えない」女性で清瀬に
皺寄せがくること。
圭太の家にあった文庫本。
圭太と同じく
意識不明になっている樹の
恋人が、どこかずれた感じの
人だったこと。
さまざまな違和感が少しずつ
積み重なり、
それが三冊のノートが示す
「真実」へとつながっていく。

物語の大事なキーワードを
隠しているので、
どうしても
持って回った
表現になることを
ご容赦願いたい。
これは想像力の物語なのだ。
何かを見て「普通じゃない」
と思うのは、自分の中で
勝手に決めた「普通」に
合っていないだけであり、
「普通じゃない」人には
それぞれ事情や背景がある。
それを斟酌せず、
たまたま安全で恵まれた
場所にいる人が「普通」を
判断することの愚かしさと
危うさが浮き彫りになる。
そんな例を、
本書はいくつもの
エピソードとともに
次々と描き出す。

自分を
ちゃんとしている」と
思っている人、
他者に対して
ちゃんとして」と
思いがちな人にこそ、
本書を読んでほしい。
それはあなたの目を
曇らせる呪い
になってはいないだろうか。

レビュー:大矢博子

Amazonより


Amazonより



川のほとりに立つ者は
寺地 はるな (著)

カフェの若き店長
・原田清瀬は、ある日、
恋人の松木が怪我をして
意識が戻らないと
病院から連絡を受ける。

松木の部屋を訪れた清瀬は、
彼が隠していたノートを
見つけたことで、
恋人が自分に
隠していた秘密を
少しずつ知ることに――。

「当たり前」に
埋もれた声を丁寧に紡ぎ、
他者と交わる痛みと
その先の希望を描いた物語。

川のほとりに立つ者は
寺地 はるな (著)
Amazonより

ドラマティック〜🎶

Kindle版


………………
自己紹介
noteがスキ
❤️になってきた。より


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