映像シナリオ「おやすみ、いい夢を」

概要:シナリオ学校の課題にて執筆。できる限り短編の映像シナリオという条件あり。尺は約3分。2015/07/18作。

〇ログライン
 なかなか眠れない主人公が、睡魔の音痴が原因とわかり指導する話。

〇登場人物
荒木博則(35)サラリーマン
中川小夜子(19)睡魔を擬人化


○ 荒木家・寝室(深夜)
   天井を見つめながらベッドで寝ている荒木博則(35)。
荒木「羊が九百八十一、羊が九百八十二、羊が……」
   カチカチと鳴る秒針。
荒木「羊が九百九十八、羊が九百九十九、羊が……千!」
   荒木、ガバッと起き上がる。
小夜子「眠れませんか?」
   荒木、突然背後から枕元に現れた中川小夜子(19)に驚き、ベッドか
   ら落ちる。
荒木「だ、だだ、だ、誰や、お前?!」
小夜子「睡魔です」
荒木「はぁ? す、すいま?」
   オドオドしながら頷く小夜子。
小夜子「すいません。毎晩あなたを眠らそうと頑張っているのですが……」
荒木「眠らすってどうやって?」
小夜子「歌です。子守唄を歌って……」
荒木「え? ちょ、いっぺん歌ってみ」
   小夜子、咳払いをし、緊張した様子で子守唄を歌い始める。
小夜子「ね~むれ~、ね~むれ~、は~は~のむ~ね~に~」
   音痴過ぎて顔をしかめる荒木。
荒木「やめやめ! そんなんで寝れるか!」
小夜子「す、すいません……」
荒木「もっと自信持って歌えよ。ほら、背筋伸ばして、口大きく開けて」
   小夜子、荒木に言われるまま発声練習。

    ×    ×    ×

小夜子「ね~むれ~、ね~むれ~、は~は~のむ~ね~に~」
   背筋を伸ばし堂々と歌う小夜子。
荒木「ああ、さっきよりマシになってきたんとちゃう」
   小夜子のそばに座る荒木、あくびをして、うつらうつらし始める。

    ×    ×    ×

   日差しが差し込む部屋。
   大の字で寝ている荒木。
   荒木のそばには、オペラ歌手並みの歌唱力で子守唄を歌い上げる小夜
   子。

                               (了)

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