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音楽生命維持装置

日々気にしていることがある。

人への接し方や、そんなことを考えている自分のこと。

たくさんの感情の波が押し寄せてきて、溢れた器からは大事なものを取りこぼしている気がして、いっぱいいっぱいなのに自分の容量オーバーに気が付かずにいる。
そんな気がしている。

そんなことをしかし、一切忘れさせてしまうのが彼。
去った週の半ばに帰ってきた人がいました。もうここでは何度か登場している和製ケビン氏。
私の中の音楽の歴史をくるっと180度、いとも簡単に変えてしまった張本人。(もちろんいい意味で)

この日のライブ出演者
(真ん中がケビンさん)

この日はおよそ3ヶ月ぶり。
初めましては2020年2月18日。もう出会ってから3年が過ぎた。早いのかまだ3年と思うのかはその時々によるのだけれど、とりあえず最初の頃のケビンさんと今では全く違う…といった感想。(これももちろんいい意味で)
今ではほとんど2ヶ月に1度、沖縄へ帰ってきてくれては年末にワンマンライブをするほど、沖縄でも大盛況ぶりだし、ファンの人もきっと沢山増えたんだと思う。私もいちファンとして、それは本当に嬉しいことだし、どうしたら彼の音楽をここ沖縄で、そしてそれ以外でもっとたくさんの人に知ってもらえるのか…と日々空想ばかりを巡らせている。(スタッフですか)

私ごときが何をしても大した力にならないし、いてもいなくても変わらないただのファンなので、目下私の目標は、和製ケビン氏の存在価値を1人でも多くの人間に知ってもらうこと…となっている。勝手に1人で考えていることも色々あるけれど、それは私が考えるよりも他の人たちが遥かに思いを巡らせているであろうから、敢えて口にはしないのだけれど。

2日目(a/アルテ崎山)

彼の音楽を聴いている間、私は夢を見てるんだと思い込む時がある。目の前で歌ってくれている間、それがどんな音でも私の心に驚くほどしっくりとはまる。それが心地よくて、楽しい夢を見ているような感覚と似ている。
今までいろんな音楽を聴いてきて、しかも自分も(ジャンル違うけど)音楽をやっていたのに、それがこんなに楽しいんだと感じたことは無かったし、歌っている本人がいちばん楽しそうだなんて、すごくずるいと思う。私だって楽しんでるよ、とも思う。ただ、彼の楽しんでいる姿が目の前で見られているから私も楽しいんだと、歌っている時に時折出る笑顔で感じる。
彼の言葉と、音と、歌い出した時にその場の空気がぱりっと変わる瞬間が凄く好きだし、愛おしいとさえ思う。
彼の音楽に恋をしている、というのはそういうこと。
音楽ってこんなに楽しいんだよ、と私にいつも教えてくれているのが彼なのだ。

おそらくだけれど、前にもここで同じような話をしているはずで、ここに書く時は、異常なほど私の中で彼の音楽に強い感情が現れた時が多い気がする。

今回は、「背中」という新曲。
彼がお父さんのことを思って書いた曲。
5月1日が誕生日…だと確か話していたと思う。

私の父は、5月5日が誕生日だった。こどもの日だね。
2年前の3月、父が亡くなってからずっと、後悔していることがある。
もう取り戻せない時間にも後悔を常に感じていて、ふとそれに思い耽ることがある。
過去は過去、今は今…なんてそんなふうには思えない時もあるし、でも結局のところ、それを抱えて生きるしかないんだよなぁと繰り返し思う。

彼のこの歌を初めて聴いた時、訃報の知らせを電話で受け取った瞬間を思い出した。
(初めての感想がこんなんでごめんね)

今回2日目のライブ会場、アルテ崎山に向かう途中の出来事だったこと。膝から崩れ落ちるってあんな感じだったかと、今思えば我ながら凄いなぁと思う。
親を失うって人生の中ではとても大きなこと。そんな父のことを思い出しながら聴いた「背中」は、私の中でまた、印象強く残る歌になった。
とても素敵な歌です。ライブ会場でたくさんの人に聴いて欲しい。

彼が生み出す音楽は、私がどんなに感動しても、凄いと豪語しても、好きだと嘆いても、聴いてもらわないと誰にも届かない。
こんなに凄い音楽がここにあるのに、何でみんな知らないの?と思っていても、思うだけじゃ届かない。届けたいのにと思うのに私の力だけでは何もできないのが悔しい。
もっと広まればいいのに。もっと知れ渡れ、と毎回ライブを観ると感情が爆発しそうになるから、難しい顔してたり、泣いたりしていることが多い。涙腺崩壊もいいとこだ。
楽しくないように見えていたとしたら、一つひとつの歌で、思考回路もフル稼働してしまうのが、私のライブ中の常なので許して欲しい。ケビンさんごめん。

そんなことを感じながら、また彼が帰ってくる2ヶ月後を思い、ロスを抱えて過ごすことになる。終わった瞬間からロスは始まり、彼が沖縄に帰ってくるまで続きます。
早く帰ってきてと何度も言うが、沖縄ばかりだとたくさんの人に音を届けることは出来ないし、少しだけ我慢して、また新たに変化をもって現れる彼の音楽に心酔するべく、私もその心構えでもって受け入れたいと思う。

"これしかやりたくなかった" という彼の音楽がどうか、少しでも多くの人に届きますように。

…と、拙いことしか言えないけれど、これからもいちばん好きでいさせてくれたら。
音を紡いで、言葉を乗せて。
難しいことは分からなくても、それだけで彼の思いは聴く人全てに伝わる。

というか伝われ!
きっとあなたに届く日は近い。