大人の味覚と、遊び心。
三軒茶屋の本屋さんにて、ときめいたお話。
人がぽつりぽつりと入ってきては、思いおもいの一冊を買ってカフェスペースで読みふける。
本のセレクトにセンスが光る、ゆるやかな時間が流れる本屋さん。
私も、これと決めた一冊とともに席に着く。
注文したのはサンドイッチとドリンクのセット。
ドリンクは、悩んだ末にクリームソーダに。
お姉さんの控え目な「お待たせしましたー!」とともに登場した、
その名も『たそがれクリームソーダ』。
セットで頼んだにもかかわらず、主役級な可愛らしい格好に思わずキュン。
クリームソーダほど、カフェドリンク枠で主役を張れる子はいない、
と思っている。
それでいて、目が離せずついつい構ってしまう七変化ぶり。
一口目は、氷のザクザク入った冷たいソーダでひやっと涼む。
二口目は、バニラアイスだけをスプーンで掬ってしゅんわり。
三口目からは、少し溶けてきたアイスとソーダを混ぜてミルキーなクリームソーダに。
飲む人に自分のことを放っておかせない。
そう考えると、クリームソーダも相当な構ってちゃん。かわいいね。
そうこうしているうちに、サンドイッチが来た。
切りたてのバゲットに、チーズと生ハムを挟んだシンプルなサンド。
ハードバゲットのボリュームにあたふたしながら、思いきりバリっと頬張ると、
生ハムのほどよい塩味と、歯切れの良いチーズの、爽やかでありつつも芳醇な風味が鼻を抜ける。
あれ、何チーズだったんだろう。知識不足だ。
そして、たっぷり入ったオリーブオイルの香りが加わる。
んーー!美味しい!
香り高い食材のシンプルな組み合わせを、こんなにも美味しく味わえるようになったのは、いつからだろう。
子供のころの私だったら、「よくわかんない味。」と切り捨てていたかもしれない。
私も、成長したんだなぁ。
半分くらいに差しかかって、気に留めてなかった何やら葉っぱ(言い方。。)の存在に気づく。
形は三つ葉みたいだけど、サンドイッチに三つ葉?
案の定、違った。
その代わり強烈に飛び込んできた、覚えのある味。
・・・パセリ?!
パセリだった。
初めて見る形だったので調べると、「イタリアンパセリ」と言うらしかった。
生ハムに、香り高いチーズに、イタリアンパセリに、オリーブオイル。
組み合わせが、なんだか只者ではない風格。
しかも、これが本屋さんのカフェで出てくるとは!
本のラインナップ以外にも、世界観あるお店にしようと
考え抜かれたであろうカフェメニュー。
店主さんのこだわりや、その店づくりの努力の結晶を垣間見た気がして、
思わずにっこり。ときめき溢れる時間を過ごしたのだった。
訪れたお店:twililight / 三軒茶屋
coco
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