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そばにいる時間こそ

「想いは、言葉にしないと伝わらないよ」

ラブストーリーにはつきものの、よくあるフレーズ。
たしかにその通り(なのかもしれない)。
好きでいることも、相手に興味がないことも、はっきりと意思表示をしない限り相手には伝わらない。「察してほしい」は、あまりにも一方的なエゴだ。

恋愛において、はっきりしない曖昧な時間や感覚が醍醐味という人もいるかもしれない。しかし、それが通用するのは、相手の手を取れる距離にいる間だけだとわたしは思う。

・好きな人と手をつなぐとき
・何かプレゼントを渡すとき
・別れ際に笑顔で手を振るとき
・2人しかわからない、秘密の合図を出すとき

感情は手に乗って相手へと伝わる。伝える方は、絶対という確信がないからこそ、受け取る側の想像以上に緊張している。もしかすると拒絶されるかもしれないとか、あらぬ想像をまったくしないという人は少数派だろう。緊張するときにかく「手汗」こそ、言葉では説明のしようがない結晶のようなものだ。それくらい手を伝う感情は、嘘をつけないし、発する言葉ほどにものを言う。

好意の逆も然り。
・相手に引き止められるも、その気持ちを断ち切るために手を振り解くとき
・相手を追い返すとき
・感情を手のひらに乗せて暴力的になるとき

好意以上にあらわになる手の力は、恐ろしさすら感じる。
人は、近くにいればいるほど、手を介するだけであらゆる気持ちを伝えることができる。きっと言葉以上の何かを。

ただ、遠く離れてしまうとそれすら難しくなる。
連絡先を知っていれば、(送れるか送れないかの勇気は別として)相手にメッセージを送ることは簡単だ。でも、残念ながら100%の感情は伝わらない。
極論、文字なんて誰が打ったかわからない。さらに、メッセージを読むまでに多少の時差もあるだろうから、鮮度も保たれない。リアルに勝るものはないことは明らかだ。

あのときのわたしは、言葉にすることで必死だった。
もし自分からあの人の手を取っていれば、何か変わったのだろうか。
近くにいられたあの奇跡のような時間は、夢のようだった。
どれだけ周りがくすんでいても、会える時間があれば十分だと思っていたあの頃は、もう戻らない。

手遅れという言葉にも「手」という文字が入っている。

「もう遅い」

喜びも悲しみも怒りも、本当の気持ちは手にとれる距離にいる間に。
手遅れになる前に相手の手をとって、言葉以上の感情を届けたいものだ。

次こそは、と教えてくれたかのように。

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