ツインテールでいいか

小学校のころに「水色一択の時期」というのがあった。

とにかく水色じゃないと嫌で、ピンクはキモくて緑はよくわからんし黄色はまぶしくて赤は強すぎて、水色なら絶対に正解ではずれなしだと思った時期があった。

中学高校のころは「可愛い服を着ない時期」があった。

女の子であることが服からわかるのがあまり好きではなかった。自分の体が変わって、他人からの扱われ方も変わった。私は自分をまだ明らかな「可愛い」にさせたくなくて、女の子らしい服は着ずに中性的な雰囲気がある人に憧れた。
私は可愛くなることを望んではいなかった。好きな男性アイドルがMVで着てた服がすごくすごく良いと思った。母にそういう服が欲しいと久しぶりにおねだりしたことを覚えている。そのパーカーは今でも着ている。

大学に入ってからは「可愛いのも楽しいと思う時期」になっている。

可愛いねと言われるのが嬉しいし、でも可愛いのジャンルには入らない服も着たいとも思う。ぶかぶかジーンズとだるだるパーカーが好きだし、夏はワンピースとサンダルで歩くのも好き。意味わからない靴下を集めるのも好き。靴下柄の靴下とか、怪獣に足が食べられてるように見える靴下とか。

髪型もいろいろした。
小学校中学校はずっとショートだった。高校でボブくらいになった。クジラの噴水みたいに前髪だけ結んでいる時期もあった。今はロング。
たまにヘアカタログを眺める。ウルフカットは最高に憧れるなとため息をついたりもする。ZOCの香椎かてぃちゃんのウルフカットはベストだとTwitterを眺めて思う。ツインテールもけっこう好き。ポニーテールよりも上手に結べる。

あの髪型をしたいと思う私がいて、この服を着たいと思う私がいる。
死んでもピンクは着るもんかと意固地になるときもあって、かわいいワッペンをジーンズにつけてしまおうかと思うときもある。

今日はポニーテールをしたかったけれどうまくいかなくて、ツインテール。

通路挟んで隣に座るクラスメートはきちっとアイラインを引いている。その子の目がとても綺麗だと思う。

明日もツインテールでいいか。