グラデーションの私
人には見せていない自分がいる。
この人に見せる自分と、あの人に見せる自分は違う。
あの頃の私と、今の私は違う。
変わったねとか、昔の理来じゃなくなったねとか、言われるけれど。
それはそうなのだけど、完全に変わったわけでもないと思う。
どれが本当の理来なのかと聞かれても、どれも本当の私だと思う。
変わったとは言い切れなくて、成長かと言われたらそんなわけではないとも思う。
そんな立派に「成長しました」と言えるほどのものでもない。
ただほんの少し知識が増えて、話のネタが増えて、でも昔のように純粋ではなくて、少し濁ってしまった感じもして。
それでもそれが私なのだと思う。
波のように、これといったものにはならない。
ただ夢を見てるだけじゃ掴めないものがあって、真っすぐに生きてるだけじゃ疲れてしまうこともあって、一人で立とうとしたらこの手を引っ張ってくれる人がいて、知らない世界は危なっかしいけれどおもしろく見えて。
グラデーションのように、これといったものにはならない。
歳を重ねるごとに、時が過ぎるごとに、私の中の何かがひっくり返ったり歪んだり新しいものが加わったりする。
どれも私なのだと思う。
ちょろい女子大生の川添理来です。