うしなわれたもの

またひとり、歳を重ねた僕より先にこの世界を諦めて旅立った。
この世界は広大で、多くの幸と不幸が入り混じり混沌としている。
その中で見つけた小さな希望は、預かり知らぬ所で絶望し深く傷付きながら生きていたのだと、その死を知らされてから理解することになる。

かつて。
SNSで知り合い、よくコメントのやり取りをしていた子が、不治の病を患い、元気になるよと言いながらついぞ帰らぬ人となったことがあった。
世界中の美味しいもの食べ尽くすまでは死ねないとか言ってたのに。

今回のケースは、自死とのこと。
その子の抱える絶望を知る由もなく。
帰らぬ人となったという事実だけを受け止めながら。

このコミュニティで、僕は何を語ることができるだろう。

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