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「イングランド・イズ・マイン」

スミス結成前のモリッシーの自伝映画。

 主演がイケメンなので、モリッシーの屈折があまり表現されなかったような印象を受けましたが、本物のモリッシーみたいな奴がウジウジしてたり、社会不適合者のような態度を取っていたら、観る人の共感が全く得られないので、映画的には致し方ないのかもしれません。

 モリッシーがボーカルをしていたバンドが初めてギグを行うと、早速エージェントから声がかかります。大喜びのモリッシーでしたが、エージェントの狙いはギタリストの一本釣りであり、彼だけをロンドンに引っ張っていきます。

 取り残されて大きなショックを受けたモリッシーは、生来のダメっぷりを発揮して引きこもり生活に突入します。大したキャリアもないくせに、落ち込みだけは人一倍。
この世界には自分の居場所がないと大袈裟に落ち込みまくるモリッシー。
Heaven knows I’m miserable なう。とか呟いていたかもしれません。

しかし、映画の最後に1人の少年が訪ねて来ます。

「覚えてる?ジョニーだけど」🎸


まったく、、何が幸いするのか、。ギタリストだけ引っこ抜いていったエージェントのおかげで、モリッシー&ジョニー・マーの黄金コンビが奇跡的に誕生します。

でも、よくよく考えたら、これはまるで映画的なストーリーではありません。
ダメ男のモリッシーが、
「待ってても誰からも気づかれないよ」と言われ、
「何かをするのが怖くて、何もしない安心感を選んでた」と名言らしきセリフを吐いて自省するも、そこから何かを変えたわけではありません。

 決意を新たにして、自力で暗鬱とした生活から抜け出して未来を掴み取ったという話でもなく、ただただヒキコモっていたら、たまたま知り合った天才のジョニーくんが大成功の鍵を持ってやって来たという。
まさに「果報は寝て待て」です。

あくまでもスミス前にこだわっているようですが、そうは言っても、スミスのライブ映像を軽く流す程度のサービスがあっても良かったんじゃないの、と思ってしまいました。この流れならやはりスミスが聴きたくなります。This Charming Man とか。

どうでもいいですが、映画としては普通でした。

7

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