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#12個人でベトナム進出|融資受けて決意固まる

■このマガジンについて


ベトナムにネイルサロンをオープンしたのは、2016年8月。
フリーフォトグラファーとして日本で気ままにやってきた私が、ベトナムで1からお店を作って、スタッフを持つなんて考えた事がありませんでした。
でも、あるとき海外でチャレンジしたい病にかかってしまったのです。
それからは、新鮮で刺激の多い日々...。
全てが初めてでどれも大変な作業の連続。落ち込む事も多いけれど喜びの方が多いんです。
だって、毎日楽しいんだもの。


■進捗がわかるリスト


ベトナムホーチミン市でネイルサロンを作ろうと思い立ってから約3ヶ月後の2016年2月。

準備が今どれだけ出来ているのかをまとめてみた。

やることを左に書いて、準備が進むにつれ、オレンジの色が濃くなる。

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よく見ると、ベトナム現地に行かないとできないことはあまり進んでいなくて、日本(リモート)でできる事や接客マニュアルなどの資料作りはほぼ終わっている。

3ヶ月の間、私なりに出来るところから埋めて行っていた。


■融資を受けるための面談で私が準備したもの


前回、海外展開支援で融資枠を持っていた日本制作金融公庫(国金)
に相談に行き、融資可能か?融資面談の為の資料は何か?を聞いてきた。

融資面談に必要な資料
・創業計画書
・物件詳細
・設備見積もり
・私の確定申告の2年分


そこから約1ヶ月経ち......出来る限りの資料集めと作成をして面談に挑んだ。

創業計画書に書き込む内容
①創業するのはどのような目的や動機か?
②経営者の略歴
③取り扱いサービス
④誰に販売するか、仕入れ先の情報
⑤従業員の人数
⑥設備資金や運転資金の内訳
⑦事業の見通し(売上、原価、経費、利益の数字記入とその計算の根拠)

①「創業の目的や動機」は150文字くらいで端的にまとめて、面談時に思いを語った。

⑥「設備資金や運転資金の内訳」は作るのが難しかった。
物件がまだ決まっていないから、家賃や店舗工事の費用は概算になるけれど、ベトナムでビジネスをしている方に聞いたり、私の恩人でサロンオープンを色々手伝ってくれているNgoc(ゴック)さんとも話をしながら金額を埋めていった。

私が提出した設備資金と運転資金の内訳金額
(融資:600万円 自己資金:100万円 合計:700万円)
店舗家賃(半年+デポジット)・・・150万円
店舗工事(解体・内装・外装)・・・80万円
什器(家具・受付など)・・・140万円
備品・ネイルアート用品・・・50万円
広告宣伝費・制作費・・・30万円
その他消耗品・・・10万円
渡航費(半年)・・・120万円
スタッフ給料(半年x5名 アルバイト含)・・・120万円


⑦事業の見通し(売上、原価、経費、利益の数字記入とその計算の根拠)

・創業当初(オープンから半年くらいまでの期間)
・軌道に乗った後(私は1年後を想定)
の売上、原価、経費、粗利予測と計算根拠も書き込む。

創業当初の事業の見通し
売上・・・50万円
原価・・・5万円
人件費・・・20万円
家賃・・・12万円
支払い利息・・・3.5万円
その他・・・3万円
粗利・・・6.5万円
軌道に乗った後の事業の見通し
売上・・・130万円
原価・・・13万円
人件費・・・20万円
家賃・・・12万円
支払い利息・・・3.5万円
その他・・・7.8万円
粗利・・・73.7万円

この事業の見通しを算出するために、損益分岐点表を使って算出した。

損益分岐点表=利益を出すために、どれくらい売上れば黒字になるのかを見る表。固定費(人件費・家賃・支払い利息)や変動費(材料・その他経費)を書き出し、黒字化のために達成すべき売上高はいくら必要かを見るためのもの。

損益分岐点表については、 経理についての面倒な作業を効率化するクラウドサービスで有名なMoney Fowardで詳しく説明されていました。


私のお店の場合、オープン当初を損益分岐点で計算すると...。
毎月54万円以上の売上でやっと利益が出てくる計算。

1日あたり最低いくらの売上が必要か
540,000(円)÷25(日)=18,000円
1日最低18,000円以上の売上がないとお店は維持出来ない見通しになる。

1日の最低売上金額が分かったところで、作った価格表の金額に問題が無いか、客席数とお客様の回転比率を再度計算して微調整していった。

ベトナムでの事業ということもあり、私の場合は、面談時までに物件が決まっていなかった。
物件詳細と設備見積もり資料は揃っておらず暫定の計算ではあったが、現地に行って、物件や設備をリサーチした結果を元に作った資料を提出したら担当者は「ひとまずこれで大丈夫です。」と言ってくれた。


■面談で私が聞かれたこと、答えたこと


面談は融資担当者と私の1対1。
作ってきた書類と資料を見ながら、一時間ほど話をした。

色々聞かれたんだけど、覚えている内容はこれら。

質問1) 自己資金をどうやって作ったのか? 
毎月5万円を定期預金して100万円を貯めていたので、このお金を自己資金にします。

後で知ったんだけど、創業融資制度を利用する場合には、
「創業にかかる経費の1/10以上の自己資金が必要」なんだって。
私の場合、専用口座を作って毎月定期預金していたのが担当者から見て
好印象だったみたい。


質問2 ) なぜ、この事業を始めようと思ったのか?
「2012年に初めて行ったベトナムに魅了され、ベトナム各地で旅をして写真を撮ってきた。数年前にベトナム人の友達ができ、一緒にビジネスをしたいと話すようになり、自分は何が出来るかを考えてきた。
そして、私にはこれらの悩みと経験があり、それを元に新しい事業が創造できると思った。
①ベトナム各地の写真はたくさんあるが、自分自身がベトナムの景色と一緒に写っている写真が全然ない。
②ベトナムに魅了され、各地を旅して体験、感動した経験。
ベトナムホーチミン市で「旅×ネイルアート」が体験できるサービスを作り、観光旅行に訪れた多くの人に笑顔になってほしいと思いネイルサロンを作ることにした。
③日本↔ベトナムの遠隔経営で事業の可能性を追求したい。

自分の金儲けだけを考えたものではなく、多くの人に利益を与えるもの。
いわゆる「公利」にもつながるという点をアピールできれば、金融機関の評価は高くなると融資面談の攻略webページに書いてあった。


「どんなことを聞かれるのだろう?」とドキドキしちゃうけれど、ちゃんと準備して、自分の頭の整理ができていれば難しくないかも。

資金調達のための方法を丁寧に解説しているサイト「資金調達の窓口」で
面談で聞かれる質問や対策についてまとめられています。

このページ、めちゃくちゃよ分かりやすくまとめられているよ↓


■融資受けて決意固まる


面談から約2週間後、600万円の融資が決まった。

いままで融資を受けたことがなかったから、いろいろ不安や心配もあったけれど、自分で資料を作って、説明して、審査が通った。

「融資とは?」から始まり、「創業計画」「事業の見通し」と事業にまつわる色々な要素を一つずつ実践し、お金について学べるいい機会だったと改めて思った。

これから、この資金を無駄にしないよう、さらに綿密に計画して、調査する。

そして必ず形にしよう。

私はそう決意した。



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