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#30 ベトナムでお店づくり|自分で選び作るって最高だ

■このマガジンについて

ベトナムホーチミン市にネイルサロンをオープンしたのは、2016年8月。
フリーフォトグラファーとして日本で気ままにやってきた私が、ベトナムで1からお店を作って、スタッフを持つなんて考えた事がありませんでした。
でも、あるとき海外でチャレンジしたい病にかかってしまったのです。
それからは、新鮮で刺激の多い日々...。


全てが初めてでどれも大変な作業の連続。落ち込む事も多いけれど喜びの方が多いんです。
だって、毎日楽しいんだもの。


■ベトナムでは何でも知り合いに依頼すると◎

ホーチミンのグエンフエアパート

ベトナムホーチミン市 42Nguyen Hue(グエン・フエ)アパート。
このアパートはサクセスストーリーが生まれる場所と言われている。

ベトナム政府によって近々アパートが取り壊しになる計画が出ている。

それをを知りながら、私はここでネイルサロンを作ることに決めた。

気持ちが決まれば後は進むだけ。
私は、ネイルサロンのオープン準備を手伝ってくれているタンくんと共に走り回っていた。

契約した物件↓

ベトナム人の住む家

工事が始まった頃↓

ホーチミンで解体工事をする

テラスの入り口はもともと引き戸だった。
が、お店はロマンティックな雰囲気に仕上げたい。

だから扉を作り変えることにした。

引き戸だった頃↓

引き戸

私が作りたいお店の完成予想図↓(CGパース)

ベトナムお店完成予想CG

私:タンくん、ドアを作れる人を知らない?担当している施工会社に相談したら「ドアは制作が難しいから出来ない」って断られちゃった。

タン:僕の知り合いのおじさんはドアを作れるよ。家具もオーダーで作っているし、信頼できる人だから、一度相談してみるね。

私:へぇー。タンくんは知り合いが多いね。ありがとう!

知り合いが多いタンくん。
彼に相談したおかげで、ドアを制作できる職人さんはすぐに見つけることができた。

ベトナム人は広く浅い知り合いが多い
ベトナムでは、自分や友達に困ったことがあると、知り合いをつてに相談します。逆に素性を知らない人に、仕事を依頼、相談することはとても少ないです。ベトナム人はとってもフランクな印象があり、たとえ一度しか会ったことが無い人でも「彼(彼女)は私の友達です」と紹介してくれるので、一度でも顔を合わせておけば、しばらく交流がなくても力になってくれることが多いです。


タンくんが紹介してくれたのは、この黒いシャツを着た男性。

ドアの制作を相談すると、すぐ採寸に来て作業に取り掛かってくれた。

ベトナム人のおじさん


「まさか、こんなにすぐに来てくれるとは...。さすが、ベトナム人同士の知り合い効果はすごい」と感じた出来事だった。

ホーチミンの工事現場

ベトナム人大工

■飲みニケーションでおじさんを口説き落とすタンくん


タン:ドアって造るのが難しいんだよ。歪むと開かなくなっちゃうからね。

私:そうだよね。良い人を紹介してくれてありがとう!

タン:昨日おじさんにご馳走したから、おじさんは機嫌がいいね。
お酒と美味しい食事でおもてなしすれば、ほとんどの相談はうまくいくよ。

私:え!タンくんそんな事してくれてたの?ありがとう!

タン:いえいえ。僕が勝手にやった事だから気にしないで。
一緒にお酒を飲むと、いろんな事が上手く進みやすいから僕はそうしたんだ。

【【【 ベトナムの飲みニケーションってやつか! 】】】

ベトナムでのお酒の習慣
ベトナム人はお酒が好きな人が多いです。また、大勢で飲みに行った時は、誰かがグラスを持つ度に乾杯し、それを一気飲みします。
大きなレストラン、ビアホイではそのような光景をしばしば見かけ、掛け声があちこちで飛び交うお店は人気店の証の印象があります。
彼らは楽しい時間を過ごすことで、よりお互いの信頼を深めているよう。
少人数の場合は大きく騒いだりしませんが、乾杯は何度もします。
何かを一緒に食べたり、時間を共有することを大切にするベトナム人。
しかし女性は、公でお酒を飲むことを快く思わない文化があるようで、特別な時や信頼出来る人と一緒の時以外はお酒を飲みません。



■ベトナムでは、道具を直接買いに行くのが合理的


タン:ところで、ゆうちゃん。ドアノブがないといつまでもドアは開かないよ。おじさんからカタログを預かったから選んでください。

私:はっ!!ドアノブ。頭の中から完全に消えていた.....。確かにドアノブのデザインによって印象がガラッと変わるから、私が決めなきゃいけないね。

タン:たくさんの種類があるよ。どれにする?


カタログを開くと、ドアノブの種類は無限にあった。

ベトナムにあるカタログ

私:こ、こんなに種類があるの?たくさんありすぎて頭が混乱するよ。

タン:そうですね。僕は実際に見たほうが早いと思う。今から見に行こう!


思い立ったら即行動の私たち。
すぐにバイクに乗ってドアノブストリートへ向かった。

ドアノブストリートとは?
ベトナムでは、専門店が並ぶ通りがたくさんあります。
金物屋ばかりが集まった通り、植木店通り、日用品通りなど。 
カタログにある商品を選んでも、ベトナムでは廃盤、在庫切れの商品がざらにあり、発注後に「納品できない」と連絡が来ることがしばしばあります。
また、カタログ掲載商品と届いた商品が微妙に違うこともあるため、実物を置いている店舗で見て購入したほうが確実です。

ドアノブだけを探すこと約2時間。
1店舗ずつ回り、無数にあるドアノブの中からひとつずつ買い集めていった。

ホーチミンで見つけたドアノブ


一番のお気に入りはテラスに向かう扉につけるドアノブだ。
これを見つけた時「私のお店は絶対ステキに仕上がる」そう確信した。

ベトナムで買ったもの


入り口の扉用も私のお気に入り。
猫脚みたいな形がエレガントさを感じる。見つけたときはとても嬉しかった。

ホーチミンで買ったドアノブ

その他諸々の取っ手、ドアストッパーなど。

ベトナムで仕入れた道具

自分で選んだのもあり、一つ一つが全部お気に入り。


■想像どおりに仕上がって大満足


他の施工と同時進行でドアの工事も行う。

ドアの色は、設置後塗装する段取りだ。

ベトナム人施工中風景

ドアの工事中

ドアのおじさんに相談して制作を始めてから約3週間後、ついにすべてのドアが完成した。

ホーチミンの古アパート

ドアノブ

真っ白い空間にオーダーメイドのチェアー、グリーンのドアがアクセントになって、すごくかわいいテラスに仕上がった。

ホーチミンのネイルサロン

今回インプットしたこと
・ベトナムでなにか困った事があった時は、知り合いに相談するといい。

・ベトナム人との関係構築のために、飲みニケーションは有効だ。

・カタログやネット販売に慣れてきた昨今だが、実物を見て買うのはやっぱり楽しい。そして愛着がわく。(購入までのストーリーがあるからかな?)

・作ったテラスはサンルームのように明るく、モデル撮影に使える。

・引き戸から開き戸に変更したことで、気密性が高くなった。
また、テラスがベトナムの熱い屋外と部屋の間のワンクッションになってく店内は涼しさを保てた。

・ジェルネイルはUVライトで硬化するので、日当たりがきつすぎると支障がでる。ガラス戸にしたことで、明るさは保ちつつ、直射日光が店内に差し込むのを避けることが出来た。

・ランドリーの扉はブラインド扉にした。
ブラインドだから、換気ができたし、ドア外の様子を中から見れる。
お客様が扉の前にいないか確認でき、トラブル防止にも役立った。


■おまけ

店内が完成し、モデル撮影をしている時の写真を少し紹介したい。

カメラを持っているのが私。
私が話す日本語をスタッフに通訳してもらいながら撮影は進む。

ホーチミンで空間撮影

このドアノブはいい仕事をしてくれた。
空間の中にアクセントカラーの扉や、小洒落たドアノブがあると写真はぐっと引き締まる。よき。

ベトナム美人

ベトナム人モデル撮影

ベトナム人モデル

空間のイメージ撮影でも、テラスの扉は活躍した。

ネイリストと一緒にあーだこーだ言いながらレイアウトしていく。

ホーチミンで商品撮影

ホーチミンのネイルサロン店内

オーダーメイドした家具、自分で選んだドアノブ、スタイリングした小物たちが大集合した写真だ。

この写真を見せると、「素敵な空間だね」と褒めていただくことが多い。

素直に嬉しい。

自分で選び作るって最高だ。








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