見出し画像

#28 日本人上司とベトナム人部下のやりとりを見て教えることの気づきをもらった

■このマガジンについて

ベトナムホーチミン市にネイルサロンをオープンしたのは、2016年8月。
フリーフォトグラファーとして日本で気ままにやってきた私が、ベトナムで1からお店を作って、スタッフを持つなんて考えた事がありませんでした。
でも、あるとき海外でチャレンジしたい病にかかってしまったのです。
それからは、新鮮で刺激の多い日々...。


全てが初めてでどれも大変な作業の連続。落ち込む事も多いけれど喜びの方が多いんです。
だって、毎日楽しいんだもの。


■ホーチミンにある日系企業にサッシを依頼


画像1

ベトナムホーチミン市 42Nguyen Hue(グエン・フエ)アパート。
このアパートはサクセスストーリーが生まれる場所と言われている。

ちなみにこのアパートは、ベトナム政府によって近々取り壊しになる計画が出ている。

それをを知りながら、私はここでネイルサロンを作ることに決めた。

サッシの施工ができる会社がなかなか見つからず、トイレの壁はタイルを貼ってしばらく放置状態になっていた。

最悪ガラスだけはめて終わりにすることもできるが、どうせなら換気できる窓にしたいところだ。

画像14

頭を悩ませているとき、ふと自分の友達がサッシの会社をしていることを思い出した。

「そうだ、友達のあゆちゃん。彼女の旦那さんは、東大阪でサッシの会社をやっていた。最近、ホーチミンに会社を設立したって言ってたじゃん!」

私:あゆちゃん。私ね、今ホーチミンにネイルサロンを作ってて...。

あゆちゃん:うんうん!いいね!

私:それで、トイレのサッシの施工ができる会社さんを探してるんだけど...

あゆちゃん:それなら、任せて!うちの会社でできるよ!

私:話が早いぜ。あゆちゃん、ありがとう!!

ちょうど、日本人マネージャーがホーチミンにいるのスタッフを教育をする為に出張していた時だったらしく、すぐに現地確認に来てくれた。

私たちの物件に来てくれた、三島硝子建材株式会社のみなさん↓

画像13

一番背が高くて黒のポロシャツを着た男性が、日本人マネージャー。
ホーチミン支社設立の準備と、ベトナム人の教育の為に2週間ほど滞在しているそうだ。

キャップを被ったピンクのチェックシャツを着た男性と、水色のポロシャツの男性は、ホーチミン支社の立ち上げメンバーだ。
彼らは日本で技能実習生として働き、先日ベトナムに帰国したばかりだった。

端にいる女性は、日本語通訳さん。

真ん中の赤いチェックシャツの男性はサロンオープンを色々手伝ってくれているタンくん。

「技能実習生」とは...?
日本で培われた技術等を開発途上国へ移転し、人材育成を支援することを目的とする日本政府が創設した国際的な人材育成の事業です。
研修期間と合わせて最長3年の期間において、技能実習生が研修により習得した技術等を、雇用関係の下、より実践的かつ実務的に習熟する事で、2年間就労することができます。




■日本人上司とベトナム人部下のやりとりを見て気づきをもらった


連絡後すぐに来てくれたのだけれど、時刻は夕方。
まだ照明器具がない部屋で資料を見ながら、早速ベトナム人スタッフとサッシの施工について、打ち合わせがはじまった。

画像9

日本人上司:さあ採寸してみよう。どうやって測るか覚えている?

ベトナム人部下:ええと。こうやって、これに注意して測ります。

日本人上司:そうそう。よく覚えていたね。その次は何に注意するんだった?

ベトナム人部下:ええと。どうだったかな。ちょっと忘れちゃった。

日本人上司:2人で考えてみて、決めたら僕に教えて。

このやりとりを横で聞いていた私とタンくん。
なんだか微笑ましくて、ほっこりしながら見ていた。

タン:なんだか、一緒だね。ゆうちゃんも先に答えを教えない。最初見守るね。

私:うんそうだね。自分で解決できるようになってほしいと思うから。解決方法を導くまでの道のりは当人にとってしんどい事だけど、一番楽しいところだと思うの。答えを知っているからって、その大事な工程を奪っちゃいけないと思うんだ。

そうやってタンくんに話した言葉。
「自分にも当てはまるなぁ」とふと気づいた。


ベトナムにいると私は教えてもらうことがたくさんある。

思い返すと、私の周りのベトナム人達は、答えよりヒントを出してくれる方が多い。

「私はこう思うけど、決めるのは優子さんです」というようにだ。

自分で決定することは、不安に感じることも多い。
が、そういう経験は私をたくさん成長させてくれたと思う。

最初から戦う武器が揃っていて、攻略するための答えを知っているゲームをやっていても面白くないものね。

なかなか自分の事となると目が霞んで、俯瞰で見えないでいた。

彼らのやりとりから、良い気付きを得た。


インプットしたこと
・今の自分は「ロールプレイングゲームをしている真っ最中」と考えることにした。
いっぱい失敗して、考えて、調整し、達成するから感動もひとしおなのだ。

・「人の振り見て我が振り直せ」他人の行動を見て、良いところは見習い自分に落とし込もう。


■店の中で一番立派な窓がトイレに付いた


サッシをはめるには問題があった。

それは、壁はレンガを積み上げてコンクリートで固めている為、上下左右の寸法に誤差があることだった。

ベトナム人の彼らは、きちんとはまる解決方法を出せたようだ。
「施工段取りができたので、資材を準備して伺います」と連絡があった。

画像10

左右の寸法差は、板を入れて微調整したようだ。

画像11

そこからサッシと枠の隙間をシリコンで埋め 、全部の作業は数時間で終わった。

画像14


素晴らしい仕事をしてくださった三島硝子建材株式会社のみなさん。
トイレの窓が他の窓と比べ、一番クオリティーが高くなっちゃった(笑

画像14


日系企業に依頼してみての感想
・日本語が通じるのはやっぱり心強い。
・技術の安定と安心感を感じた。
・ゴミの処理もきちんとやってくれる。
・材料がしっかりしていて、丈夫。そして仕上がりがきれい!


■おまけ|トイレの窓ができるまで


綺麗なサッシ窓がついたトイレ。
元々は酷く汚かった。(ガラスもいくつか割れていた)

画像2

この窓外は、1階から9階まで空洞になっている。
屋外の光を室内に導き入れる為につくられた部分で、窓を開けたら換気でき、明るい。が、掃除するのはむずかしかった。

隣の部屋の窓からの様子↓

画像3

イラストにしたらこんなイメージだ。

画像4

掃除もしにくいし、トイレにこんなに大きな窓はいらないと判断。
小さい窓に作り変えることにした。

なぜなら、この窓は工夫をしても、私がイメージする、白を貴重としたロマンティックなトイレにならないと判断したからだ。

①レンガを積んで壁を作る↓

画像5

②コンクリートで埋める↓

画像7

コンクリートを固め、白いタイルを貼り、サッシをはめて出来上がった。

なかなか手がかかった工事だったな。

まだまだ工事は残っているけれど、一つずつ仕上がっていくのはやっぱり嬉しい。

さてさて、これからどうなるか。

苦労せず目的達成しても面白くないと、今回の事で気づけた。
このワクワクとちょっと不安なロールプレイングゲームはまだまだ続くぜ!


この記事が参加している募集

#振り返りnote

85,089件

読んでくださってとっても嬉しいです! いただいたサポートは色々な発信ができるよう勉強に使わせていただきます。