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#27 ベトナムでお店づくり|用具を自分で調達


■このマガジンについて


ベトナムホーチミン市にネイルサロンをオープンしたのは、2016年8月。
フリーフォトグラファーとして日本で気ままにやってきた私が、ベトナムで1からお店を作って、スタッフを持つなんて考えた事がありませんでした。
でも、あるとき海外でチャレンジしたい病にかかってしまったのです。
それからは、新鮮で刺激の多い日々...。


全てが初めてでどれも大変な作業の連続。落ち込む事も多いけれど喜びの方が多いんです。
だって、毎日楽しいんだもの。


■少しずつ工事が進んでいく


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ベトナムホーチミン市 42Nguyen Hue(グエン・フエ)アパート。
このアパートはサクセスストーリーが生まれる場所と言われている。

ちなみにこのアパートは、ベトナム政府によって近々取り壊しになる計画が出ている。

それをを知りながら、私はここでネイルサロンを作ることに決めた。

契約した部屋↓

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工事中↓

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コンクリートで棚を作り、床の高さを上げる作業が始まった。

ランドリースペースは水が逆流しても店側に流れないよう、高さを出している。

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カメラを向けるとはにかむ大工さん。
彼らとほぼ毎日顔を合わせているので、ちょっと仲良しになっている。

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彼らが輪になって夕食を取るシーンを見るのが、私にとって癒やしの時間になっていた。

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■自分で用具調達する理由


工事が進み、トイレの洗面ボウル、キッチンのシンクなどの用具を買いに行くタイミングが来た。

今日は、サロンオープンを色々手伝ってくれているTangくん(タン)と一緒に、これらを買い出しにいく予定だ。

「それって、自分で買いに行かなきゃなんないの?」
「カタログを見て発注すればいいんじゃないの?」と思うよね。

私も第三者なら、そう思う。しかし、これには理由がある。

自分で用具を準備する理由
お店の工事をするにあたり、ホーチミン市にあるいくつかの施工会社から相見積もりを取った。
そして、出てきた相見積もりは「松・竹・梅」と別れた。

松竹梅の見積内容を簡単に説明すると...
(松)何も用意しなくていい、フルセットで希望納期より短納期
(竹)松よりちょっと安めの材料で、希望納期に完了
(梅)希望納期には完了予定だけど、一部自分たちで用意する必要がある

そして、私は「梅クラス」の見積りの施工会社を選んだ。
理由は......
①コストが一番安い。(手持ちの資金がギリギリのギリだったからね)
②業者が選んだ材料に納得できない場合、結局自分で選ばないといけなくなる。それなら梅クラスの会社に発注し、自分もお店作りの過程を楽しんだら良いと思ったから。(経験してみたい欲があった)



■トイレのこと


私はこのアパートで隣り合わせで2物件借りている。
一部屋は「ネイルサロン」、もう一部屋は「日本の商品販売とハンドメイドレッスンができるお店」になる。

ネイルサロンは、できるだけ広く作りたかった。
だから、トイレやスタッフの休憩場所は、商品販売のお店に作る段取りだ。


ちなみに、部屋はそんなに大きくないので、トイレと休憩場所のスペースは小さめ。

だからといって妥協したくない。
私が作るお店のトイレは清潔で機能的に作りたかった。

元々のトイレは、こんな感じ。
ベトナムでは、トイレにシャワーがついていて、ここで体を洗う。
(ベトナムには、湯船につかるという習慣はない)

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これから作るトイレの完成予想パース。
シャワーは外し、トイレだけにする。
掃除用品やゴミ箱を収納できるよう棚を作りスッキリしたトイレに作り変える。

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狭いトイレで工夫したこと
・厚さ30cmほどの棚を作り、水栓の配管を隠してシンプルに見せる工夫
・棚の扉に穴を開け、中にはゴミ箱を収納する工夫
・壁を真っ白のタイルに張り替えて、空間を広く見せる工夫
・床をグレーのタイルにして、汚れが目立たないように工夫
・窓を作り、換気扇もつけた。(匂いがこもらない工夫)


■用具を買いに走る


ベトナムにも製品カタログはある。
しかし、選んで注文しても、在庫がないってことがよく起こる。

時間をかけてカタログから選び発注したのに、「在庫が無い」と返事が返ってくることが度々おきた。

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だから、私達は直接買いに走ることにした。

ホーチミン市1区から大体バイクで2〜30分ほど走れば、専門店通りに行ける。
今回私達は、水回り用品ばかりが集まった通りに向かった。

直接調達をしたい時のポイント
ベトナムでは、電気屋通り、花屋通りなど、専門店が密集しています。
カタログの写真と実物の仕様が少々異なっている場合もあるため、実物を見て買ったほうが時間もコストも節約できることがあるよ。


■購入した用具たち


■■トイレにちょうどよさそうな、洗面ボウルと蛇口■■

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選んだポイント
・トイレの空間が広くないので、蛇口はスマートな形の物を選んだ
・洗面ボウルは、手を洗いやすく水が飛び散りにくい形を意識した


■■ペーパーホルダー、タオルホルダー■■

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選んだポイント
・タオルはこまめに取り替えるので、掛けやすく丈夫なのを選んだ
・ペーパーホルダーもペーパーが取替えやすい仕様のものを選んだ


■■ベトナム式ウォシュレット■■

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ベトナムでは日本のような温水洗浄便座がついているトイレはない。
その代わり、この手動シャワーが便器の隣に設置されていて、レバーを押すことで水が出てくる。(ちなみに温水は出ない)

このシャワーの使用用途
1.ウォシュレット機能として
2.トイレ掃除につかう水栓として

選んだポイントは特になし。(どれも一緒だから)


■■休憩スペースに置くシンク■■

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選んだポイント
・ベトナムのシンクは2つに別れている事が多いが、1つで大きいものにした
・蛇口は、ホース部分を自在に動かせて、シャワーが出る仕様のものにした


■選んだ用具を実装


蛇口、洗面ボウル、シンク......。
こだわりを持って選んだものばかりだから、出来上がりの感動も大きかった。


■■トイレ■■

水栓の配管が見えないように棚の中に隠して設置した。
この棚の中には、掃除道具やゴミ箱を収納し、汚れたものを見せないようにした。

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棚の天面には、水が飛んでも掃除しやすいように、タイルを張りした。
タイルがキラキラみえるように間接照明を置いたら、ロマンティックな空間になった。

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■■シンク■■

休憩スペースに設置したシンク。
手洗いや食器洗いに役立った。

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一つ一つの道具を買いに走るのは、それなりに労力がかかったけれど......
機能的で、清潔。使いやすい水回りになった。

海外初挑戦で、店舗作りも初めてだった私。
工事を「梅クラス」にしたおかげで、この後、めちゃくちゃ心身共に消耗することになる。(この後におこるいろんな問題はこれから投稿していくよ!)

けれど、細部まで自分で選べたことは、最終的に良かったと思っている。

今noteのネタにもなっているし(笑


インプットしたこと
・自分で道具を揃えるのは大変だけど、出来上がりの感動はひとしお。
・ベトナム人の協力者があってこそ実現できる事だ感謝しよう。
・日本に比べ、用具が買える場所が多い。また、自分で調達している人も多いので、こだわってみるのもおすすめ。
・買った用具は、その日に配送してくれる。買う側は財布さえ持っていけば調達に行けるから気が楽。(自分で車や配送の手配をしなくていい)


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