マガジン

  • 日常亭-たべもの部

    日常のなかの「たべもの」のはなし。

  • イラスト集

    記事に使用したイラストを載せています。

最近の記事

おばんざい「のきしのぶ」と京の暮らし

    • 京の暮らしは「番」にあり。 3/3

      毎日の暮らしのお伴。お茶 日本屈指のお茶ドコロ、京都。 そのむかし、臨済宗のお坊さんが宋の国から茶を持ち帰り、宇治の地で栽培が始まったのが、その後全国に広がったのだとか。 はじめは薬として用いられていた茶も、武士階級の社交場で浸透するようになり、やがて「茶の湯」など、京都の文化の発展を担う重要なアイテムになりました。 京都のお茶といえば、 和菓子と戴く、こっくりとしたお抹茶。 訪ねて来た友人と語らいながら飲む、スッキリとしたお煎茶。 最近はペットボトル飲料の影響もあってか、

      • 京の暮らしは「番」にあり。 2/3

        京番茶の話をする前に、女将にお聞きした、京都にかかせないもう一つの「番」についてお話をしようと思います。 きょうの暮らしを支える「番」 「おばんざい」 最近ではテレビや雑誌でも京料理特集になると「おばんざい」という言葉が多く見られるようになりました。 この「おばんざい」 手間暇かけて下ごしらえして、豪華に盛り付けた雅な京料理・・・という訳ではありません。そのむしろ逆。 「おばんざいは【御番菜】て書きますねん。【番】いうのは、常にあるいうこと。傘でも番傘てありますやろ?番

        • 京の暮らしは「番」にあり。1/3

          街中にはビルやホテルが立ち並び、 惜しまれつつも古い町屋が消えゆく昨今。 それでも路地をてくてく歩けば、ポツ、ポツと残る、古い京町家に出会うことができる京都市内。 大通りは多くの人でザワザワしているのに、京町家の前だけは「トン」とそこだけ時が止まったかのような、静かな、それでいて趣のある空気が流れています。 京都の人は「いけず」て、よう言われます。 絶えず戦を繰り広げてきた京の地では、容易に旗印をあげてしまうことが危険で、そのため白黒はっきりつけない物言いが長い歴史の中で

        おばんざい「のきしのぶ」と京の暮らし

        マガジン

        • 日常亭-たべもの部
          1本
        • イラスト集
          1本

        記事

          ことこと事始め。

          「ていねいな暮らし」やら「豊かな時間の過ごし方」やら。 そんな言葉が其処此処で見られるようになって数年が経ちました。 コーヒーを豆から挽いて淹れてみたり、パンを焼いたり。休日にはオーガニックコットンのシャツを着て窓辺でそよ風に体をもたげ、本を読んで過ごす。夜ご飯は土鍋で炊いたご飯をお気に入りの茶碗によそって滋味を味わう。 たしかにとっても素敵な生活です。憧れます。いい香りや、いい素材に囲まれて過ごしたい。 そう思う反面、もっとこう、ざらっとした。くちゃくちゃで、雑多な日常

          ことこと事始め。