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過去形

最近、また昔の夢をたびたび見るようになった。高校生とかそこら辺の。
2年ほど前によく見ていた夢。あの子の夢だ。

夢といっても、非現実的な事が起こったり、妄想の夢ではない。
全部、あの頃、確かに体験した思い出達。
時系列順に見るわけではなくて、ランダムに高1の夢を見たり、高3の夢を見たりする。

初めて都会にでかけた時の夢、奈良に出かけたとき春なのに僕ら出かけた日だけバカみたいに寒くて、二人で笑ったときの夢、学校の帰り、あの子の自転車がパンクして押しながら自転車屋に向かったときの夢、最初で最後の旅行の夜、今まで見たことないほどの悲しそうな顔をしていたときの夢。
いろんな思い出の夢。

最近はめっきり見なくなっていたこの夢を見るようになったのはきっと、LINEの「最近更新されたプロフィール」にあの子が出てきたからだろう。

ほのかに地毛が茶色くて、真面目で、僕の話をいつも肯定して聞いてくれていた、本当に清楚って言葉がよく似合う子だった。

そんな子が、更新されたプロフィールの写真では、髪の毛が少し赤茶色になって、目にはバッチリカラコンが入っていた。

あぁ、そうだよな。もう俺ら大人だもんな。それくらいするよな。

でもちょっぴり嬉しくもあった。
これは慢心でもなんでもなく、あの頃は「この子は僕がいなくなったらどうするんだろう」ってくらいに、僕にゾッコンだったから。

ちゃんと自分の人生を生きてるんだ、よかった。そう思った。
反面、僕はあの頃とちっとも変わっていない。側だけ取り繕って、中身はずっとあの頃のままだ。

僕だけずっと、同じ場所にいる。

最近、そんなことをずっと思っている。

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