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長唄 蓬莱

蓬莱、なんだか響きがよい言葉✨
どのような舞踊か紐解いてみましょう。


あらすじ

蓬莱とは、中国の伝説上の島で、仙人が住むといわれる秘境です。日本でもある種の理想郷、桃源郷として知られています。
その蓬莱山を遊郭に例え、遊女を仙女に見立てるという趣向です。初春らしい華やかなで品のよい御祝儀曲です🪭


曲について


御祝儀曲としての品の良さもあり、長唄の独吟ものの秀作としてよく演奏される演目なのですが、作詞者・初演・年代不明なんですね。
作曲者は池の端の六翁になった四代目杵屋六三郎であることから、天保前後にできたものとされていますが定かではありません。
どなたが作ったのかは不明でも良い曲は時を越えて引き継がれていくのだなと思います😄



蓬莱山

この「蓬莱」は、蓬莱の島台(蓬莱山を模したおめでたい飾り)を中国の神山である蓬莱山に見立て、その風景を仮想し、それをそのまま廓の四季にうつしたものです。遊女を仙女に見立ててもいるので艶冶(えんや)な歌詞もありますが、終始品の良さと格調の高さのある演目といえます。

蓬莱山は不老不死の霊山とも言われますからいったいどんな秘境なのでしょうね。想像力が掻き立てられる一曲です⛰️✨




立方(たちかた)

藤間善清(ふじま よしきよ)

東京へ通い厳しい修行を積み重ね、令和元年、先日、団十郎を襲名されました市川海老蔵さんの妹さんである、市川翠扇さんと国立劇場にて共演させて頂いたことを芸の励みとし、それに恥じぬよう努めていく所存でございます。
貴重な思い出を胸に、本日ご披露いたしますのは、美しく舞う鶴を連想させるご祝儀舞、蓬莱でございます。

藤間善清