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義太夫 寿式三番叟

三番叟(さんばそう)とはいったい何なの?まとめてみました🤔


そもそも三番叟とは?


この演目の登場人物は三人。翁(おきな)千歳(せんざい)そして三番叟(さんばそう)なのですが、三番目に登場することから「三番」また、「叟(そう)」とは老人の尊称のこと、これをふまえて簡単に言えばその字が示す通り【三番目に舞う人】という意味になります✏️

ちなみに
「翁」「千歳」「三番叟」で舞うものを【寿式三番叟】
三番叟を2人立てにしてそのくだりだけを抜粋したものを【二人三番叟】(3人とか5人で踊ることもあります✨)
と言います。

今回は実はどちらも当てはまらず一人立て、三番叟のくだりを一部抜粋して披露します。
題もそのまま【寿式三番叟】としていますが、前提として本来の形があるという事をご承知ください🙇‍♂️



あらすじ

能の「翁」という演目が大元で、とてもおめでたい内容から舞踊としても非常に人気のある曲です。
【天下泰平】【五穀豊穣】の祈祷に結びつけられた、私たちの生活に非常に密接した舞踊といえます🌾

揉ノ段(もみのだん)と鈴ノ段(すずのだん)の2つの構成になっています💡

本日は素踊りにて披露いたします。

揉ノ段

〽︎おおさへ おおさへ おお喜びありや 喜びありや 我がこの所よりも 外(ほか)へはやらじとぞ思ふ

からはじまります。三番叟のテッパンとも言うべき唄🪭悦びを永くこの所に留めておき外に逃しはしない、という意味💡です。

この段では、千歳と三番叟の姿や衣のことを神になぞらえたり、音を奏でる楽器が細やかに描写されています。
〽︎鼓は浪のどうど打つ  "打ち寄せる浪の音のように鼓を打つ"
〽︎ひいやひしぎの音色まで  "雅楽のヒイヤヒイと高く吹き切る笛の音"
といった具合にこれから舞う準備をしていますよ、という意味合いが込められています🪭✨

鈴ノ段

さて、鈴を持ち三番叟が再登場です。

七・五・三 と鈴を振り分けるところからはじまり種蒔きをし、五穀豊穣を願い土を踏み鳴らす振りが多く出てきます。「三番叟は土から生まれた踊り」であると言われるようにテンポの速い足拍子を強く踏む所作がこの三番叟の特徴であり、とても面白いところ✨

また「大入」とエアで書く所作も三番叟ならでは!
たくさんお客様が入った「たくさん→豊作」という目出度い意味合いで振りとして登場します。

義太夫(ぎだゆう)の重厚な音もさながら、とてもリズミカルでかっこいい曲ですので併せて楽しんでご覧ください😄



立方(たちかた)


岡﨑 陽大(おかざきひなた)くん。
11歳🎂

1歳半の時に母である藤間裕美靖さんの舞台に所化として初舞台を踏む。2歳より本格的に日本舞踊のお稽古を初め祖母である藤間市寿美裕先生に師事。
「端唄 桃太郎」「長唄 子ども三番叟」「長唄 雨の五郎」「清元 玉兎」などを勉強してきました。
読書と科学の実験とサッカーが大好きなんだそう☺️

「踊りは化粧は嫌だけどかっこいいし楽しいので好きです。リズムがとりにくくて難しい曲でお稽古がしんどかったです。でもその分がんばります!!」

今回は本人の強い希望で素踊りでの披露です。
よろしくお願いいたします😄✨