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こなつチャンネル(34) 最初はグー?



最初はグー!

初めてのワンちゃんとの最初のコミュニケーションは、「最初はグー」です。お互いの信頼関係の構築が第一です。忘れないでください。

  • ワンちゃんの視線を手などで遮らないでください。
    たとえば、上から手のひらで顔を覆うようにすると、怖がって噛む可能性があります。

  • 近づくなら、正面から。
    犬の目(や鼻先)をよく観察してください。
    逆に、後ろ(お尻)から近づかないでください。危険が潜んでいます。
    怖いと正面から近づきにくいですが、後ろはむしろ危険です。
    慣れていない犬は、怖くて噛む場合があります。

  • 最初は手を「グー」にして、ゆっくりワンちゃんの鼻先に近づけて、匂いをかがせます。ワンちゃんは、人や動物を「匂い」で識別しています。

  • もし、「う~」って唸りはじめたら、視線を外さず、手を戻して、ワンちゃんの間合いから離れてください。

  • ワンちゃんが自分から匂いを嗅ぎに寄ってくるようなら、人に好意をもっている可能性があります。

  • 尻尾も良く観察してください。
    尻尾を振っていたら、好意的な合図です。
    逆に、尻尾をお腹の方へ巻き込んでいたら、警戒しているので、注意してください。

  • 手を「グー」にしていると、もし、噛まれても被害を最小限にすることができます。「パー」にしていて、噛まれて、手を引っ張ると、噛まれた傷口が大きく開いてしまいます。

人が大好きな犬、人に慣れている犬(社会性が育まれている犬)なら、何してもいいんですけど。「最初はグー」です。

私が気にしている警戒のサイン

  • 伏せがちな視線

  • 尻尾をお腹に巻きこんでいる

  • 唸っている

  • 怒っている成犬には近づかない (一時的な処置では、救えない)

まぁ、普通ですね。「最初はグー」です。

私のしつけ方法

  • 手を噛んできたら、手を口の中、喉の奥に突っ込みます。
    すると、ゲホッとなって、噛むと嫌なことになることを知らせます。

  • 怒りを込めて、目を睨みつけて、「いけない」!と叱ります。
    言葉、行動、犬側の感触を同時に発動します。

  • 犬が見ている状態で殴ったり暴力を振るわないでください。
    暴力には、暴力で、返してきます。
    与えるのは、暴力ではなく、愛情です。
    もし、やむを得ずその必要があるのなら、視界の外で。

  • それでも噛んできたら、叱るんですけど、行動を変えます。
    手首をくるっと回して、犬の首根っこを地面に抑え込み、睨みつける、叱るをします。
    狩猟の時や、犬同士が力関係を競うときのような行動で、人と犬の主従関係を明確にさせます。本気でやっつけるわけではありません。

  • 犬が目を伏せたり、そらしたら、「ごめんなさい」のサインです。
    理解できたので、なでてあげながら「いい子だねー」「凄いねー」「天才だねー」と褒めてあげます。

  • こなつ君は、このように叱ったとき、稀に逆切れすることがありました。たぶん、彼の譲れない意志に触れたのでしょう。その時は、引き下がって、信頼関係が十分ではないので、もっと信頼してもらえるように工夫をしました。
    今では、このように叱る必要は、なくなりました。

でも、噛まれちゃいました(笑)

友人が自宅に立ち寄ってくださいました。
「噛むよ」と忠告してくれたんですけど、どういうこと?ってわからなくて、私を知ってほしくて、「最初はグー」で様子を見てみました。
すぐに、うー、って唸って、がぶっと!

傷害ポイントは、小指の付け根です。表と裏の2か所です。

表側(傷害ポイントは、小指の付け根)
裏側(傷害ポイントは、小指の付け根)

久しぶりで、ビックリしました。
出血しましたけど、すぐに血は止まりました。
傷口は、痛くなかった。
でも、心が痛かった。
優しそうな子なのに、なぜ、噛むの?
何があったの?
考えれば、考えるほど、涙が出てしまう。
傷口なんて、たいしたことない。
心が苦しい。

噛まれ方は、最悪ではなかった?

結構、力強く噛まれたんですけど、それほど深くなかったようです。
きっと、「グー」が最悪を免れたのでしょう。

2日後の様子です。表と裏にがぶっ!
2日後の様子です。ここが少し深い。

念のため、お医者さんに行ってきました

「整形外科」じゃダメです。少なくとも「外科」のflagを立てているところを選びましょう。私は、「かかりつけ医」さんに診てもらいました。
飼い主さんに狂犬病の予防接種状況を確認しておきましょう。対処が異なる場合があるかもしれません。

症状は?

  • 微熱:36.9度~37.0度ぐらい。

  • 出血:2時間ぐらいで止まっていた。2日目ぐらいまで、水にぬれると血が滲んでいた。

  • 患部:大きく開いているわけでもない。触ると少し痛い。

処置は?

  • 消毒

  • 抗生物質の塗り薬

  • 患部の保護にガーゼ

  • 破傷風の予防接種(3回接種が必要)

なぜ、噛むの?

外国のトレーナー資格を持った人にトレーニングしてもらったが、ギブアップした上に、「人を本気で噛むことを教え込まれてしまった」そうです。
なんじゃそれ。
噛まないようにトレーニングするんじゃないんかい!
ひどいなぁ。

洋犬と日本犬の違いを知らんのか!
それでよくドッグトレーナーの看板掲げられるね。

洋犬は、飼い主に完全服従するように【改良】(野生を除去)されいます。
そのためのトレーニングプログラムも完成されていると思います。
だけど、それを適用して良いのは、そのトレーニングプログラムでしつけできるように【改良された洋犬】だけです。
対局の極論として、オオカミ(野生)にそのトレーニング法を適用できるんですか?

日本には、「家庭犬」という資格があります。家庭犬という資格は、犬と飼い主の信頼関係が構築できているのか、コミュニケーションできているのかを審査するものだと思います。ドックトレーナーなら、そんなこと知っているでしょう。

噛み癖を教え込まれた不幸なワンちゃん
可哀想、過ぎる。
この傷を見ると、ワンちゃんの不安な顔を思い出し、涙しか出てこない。

ドッグトレーニングで、一番大事なのは、「噛まないしつけ」ではなく、「人が大好きなワンちゃん」にしてあげることです。
人との信頼関係が構築できれば、本気で噛むことはないんじゃないかな?問題は、ワンちゃんではなく、人の立ち振る舞いです。他責するものではなく、自責するものです。
犬と適切にコミュニケーションが取れるように「飼い主さんを育てる」ことです。
ワンちゃんは、自分の気持ちを言葉で表せないですから、人が理解してあげなければいけません。犬が大好きなら、少しづつ努力できるでしょう。

私を初めて本気で噛んだ犬は「ピックル」

不幸なワンちゃんとの出会いは、初めてではありません。
中学校の頃、父が知り合いのブリーダーさんのところから、可哀そうなポメラニアンを引き取ってきました。手が付けられないぐらい凶暴化したので、実家に戻されたワンちゃんです。

なんでそうなっちゃうの?
理解できませんでした。
可哀そうなポメラニアン。
この子から、愛くるしい笑顔は消え失せていました。

この子には、心機一転、新しい名前を付けてあげました。
私が英語の辞書で、次は「P」ね、と決めました。
父は、生まれた子犬をABC順で名前を選んでいました。
そのころ、2週目ぐらいかな。
じゃじゃーん。
ピックル(Pickle)、ピクルス、漬物くんです。

父は、ピックルに毎日激しく噛まれていました。でも、ピックルに、怒ったり、叱ったりしませんでした。
私も、ピックルに良く噛まれていました。私も、怒りませんでした。
噛んできたときは、思いっきり噛ませました。噛みたければ、噛みなさい。
というか、口の中に手を突っ込みました。
そうすると、ゲホッってなって、噛むのをやめる。

ピックルには、正直にふるまいました。
ピックルが指示を守れた時には、たっぷり褒めてあげました。
ピックルが指示を守れなかったときは、「いけない!」と目と口で伝えました。この時は、力でねじ伏せることはしませんでした。
私が間違ったときは、「ごめんねー、間違えちゃった」って、しっかり謝りました。

いつしか、ピックルは人の顔を真っすぐに見てくれるようになりました。顔が上を向きました。笑顔が出るようになりました。うれしくて、抱きしめました。

1か月ぐらい経って

ブリーダーさんが様子を見に来てくれました。
ピックルは、全く別の犬に変わっていました。
ピックルは、だれにでも、愛くるしい笑顔を振りまいてくれる明るい犬に変わっていました。
ブリーダーさんは、ビックリしていました。

私は、ピックルを通して、証明したかった。
犬を良くするも、悪くするも、人の問題。
犬は、人の心の鏡。

その後のピックル

家族の一員として、とても楽しく幸せに過ごすことができました。しかし、脱走してしまい、残念ながら帰ってきてくれませんでした。人が大好きになったポメラニアンは、誰かが保護してくれて、幸せに余生を送ってくれていると信じています。

最後を看取ってあげられなかったのは、悔いが残っています。

こなつ君に教えられたこと

洋犬の飼育経験は、いろいろあるのですが、知らない犬種は怖い。しかも、野生が残っている日本犬(柴犬)はなおさらです。野生という特長は、魅力的です。でも、私は恐怖です。私が上手に付き合ってあげられなかったら、犬の人生(犬生?)を台無しにしてしまうかもしれません。私が駄目犬にしてしまうリスクがあり、そういうわけにはいかない責任が生まれる。そういう恐怖です。

こなつ(犬)には、譲れない意志がある。
洋犬には見られない意志を強く感じました。
譲れない意志とぶつかったとき、どんなに信頼している相手でも戦おうとしました。

そこをお互いに認めて、お互いに譲歩することが、野生が残る日本犬との付き合い方なのではないでしょうか。
人間も同じかな。

必死に向き合った結果、8割ゆだねてくれるようになりました。
残り1~2割ぐらいは、好きにさせてあげる(甘やかす?)ようにしています。その辺の塩梅が「柴犬は、ツンデレ」と言われるところかもしれないですね。
人間だって、少し息抜きが欲しいですものね。犬だって同じかも。

なお、こなつに甘噛みされたほうが、血は出ないですが、たくさんくらうので、痛いです(笑)
注)こなつが甘噛みするのは、家族だけです。彼は、遊んでるだけです。きっと。

本件で改めて感じたこと

やっぱり、私は犬が大好きなんだね。
犬と接していると、どんなに苦しくても、いつもニコニコで居られます。

おやすみなさい。
では、また明日。

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