名作映画『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』(1984)

今回も面白い映画の紹介を。アニメ界にとっては「聖典」のひとつとなりつつある、押井守監督『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー(以下ビューティフルドリーマー)』です。

現在『うる星やつら』がリメイクされ、絶賛放送中でございます。それで「ラムちゃん」「あたる君」といったキャラクターをお知りになった方も何人かいらっしゃるかと思います。この映画は、キャラ名をちょっと知ってるぐらいの知識で、どっぷりと世界観に浸かることができる作品です。

みなさん、誰しも思ったことはありませんか…?学園祭の当日よりも、学園祭の「前日の夜」が、一番おもしろいのではないか…と。クラスの友達が、まだ教室に残って作業している…誰かが買い出しに行った…うわー出し物でトラブル発生…などなど。想像すれば、これらはどこにでもあるようで、実は極めて「特異な時空間」であることがわかると思います。これがもし、「永遠に」続いたら…。物語の出発点は、この些細な人間の「願い」から始まるのです。

押井守監督といえば、「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』(1995)などの少しばかり哲学的な思想を想起されるかもしれませんが、『ビューティフルドリーマー』は、小難しいこうした思想が、青春(学園祭、高校生)という、甘酸っぱく、繊維が細かいオブラートに包まれ、結果として極上のエンターテインメントとして皆んなが享受できるものに仕上がっています。

この作品が後世に与えた影響も非常に大きく、テレビドラマから映画にもなった、堤幸彦さんの『SPEC』には、この映画の重要キャラクターである「白い帽子の少女」のそっくりさんが登場します(演:大島優子)。現代の「ちょっと不思議な」物語は、この作品の影響をうけているのでは?と思います。

みなさん、ぜひ一度ご覧ください(以下予告編リンク)。
???「明日は学園祭の初日じゃからな…」
ではまた。

https://youtu.be/IzKTe8WDHeQ



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