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ポッドキャストはオバサンを救う

 オバサンという呼び名を受け入れることが、40を前にしても難しかった。貴様、いつまで女子でいるつもりだと頭では十分わかっていても心が追いつかない。

 だって、ついこの間まで若い若いと褒めそやされ、蝶よ花よと暮らしていたのだから。

 しかし、もう観念した。職場の20代女子は黙っているだけでキラキラ輝いていた。ちょっとしたことで、大きな声で笑う姿を遠目に見ながら、ああ、これが箸が転んでも笑うというやつかと思い知った。

 かたや私はついさっき言ったことも忘れる。もしかしてだけど〜もしかしてだけど〜これって噂に聞く○漏れってやつじゃないの〜とそんな体験をしかけて、ヒヤッとする。

 オバサンたるチェックリストに記入するまでもなく、まごうことなきオバサン。

 私は毎日こうして家事育児仕事に明け暮れながら、親の介護と子どもの進学と預金通帳片手に肩を落としながら年老いていくのだろうか。目の前に広がる荒涼とした未来に、絶望という文字がチラついた。

 そんな私の前に突如として現れたのが、TBSラジオポッドキャスト番組「オーバーザ・サン」サンサンサンとサンにボリュームを絞りながら、エコーをかけてほしい。

 暗い海に光る灯台のように、オバサンの未来に光を与えてくれたのが、この番組のパーソナリティであるスー美香こと、ジェーン・スーさんと堀井美香さんだ。「オーバーザ・サン」は、大人女子達がリアルな悩みや生き様を惜しみなくおもしろおかしく見せてくれるそんなトーク番組である。

 私はオーバーザ・サンによって、オバサンであることを受け入れ、かつ未来を怖がらなくなった。

 赤信号みんなで渡れば怖くないという言葉があるように、オバサンだって1人じゃない。

怖くない。笑って受け流して負けへんでと生きている。

 私の人生の羅針盤。大げさに聞こえるかもしれないが、オーバーザ・サンを通して、華麗に加齢を重ね、自分で人生の舵を切っている人達がいることを知り、勇気をもらった。

 このnoteを始める背中を押してくれたのも、オーバーザ・サンだ。

 出会いは人だけじゃない。ポッドキャストの出会いが人生を変え、時にオバサンを救ってくれることがある。

 だからこそ、最後まで読んでくださった方にもぜひポッドキャストという大海原に飛び込んでほしいと思うのだ。

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