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料理の魅力

料理と聞いて頭に浮かぶものが二つあります。
それは、とびっきりのご馳走でも自分の得意料理でもなく、私の心にいつまでも残る生活の中の一コマの料理。

一つは、幼いころ風邪をひいて寝込み食事がとれなかったときに、母が一人用の小さな鍋で炊いてくれた柔らかいご飯と七輪で焼いてくれたアジの干物。
食べた後からみるみるうちに体調が回復し、病気の辛さが吹っ飛んだことをよく覚えています。
あれから、何度も炊き立てご飯や美味しいアジの干物を食べたけれど、あのときの「魔法のセット」にかなうものはありません。

体調を崩した私の食べられそうなものを考え、私だけのために一人用の鍋で丁寧に炊いてくれたやわらかいご飯と、焦げ目がパリパリしていて身はふっくらのアジの干物はどんなご馳走よりも美味しく元気がでました。

そしてもう一つは、息子が反抗期真っ只中だった中学生の頃、学校に行けなかった日のお弁当。
その頃住んでいた自治体は、学校給食がなかったので毎朝お弁当を作っていました。
中身は何の変哲もない、いつものお弁当。ウインナーや卵焼き、ブロッコリーに冷凍食品です。
学校を休み、会話もなく過ごしたリビングで、通学バックから私の作ったお弁当を取り出して姿勢を正してきれいに完食していました。
あの時のお弁当の味がどうだったのか、息子に聞いたことはありませんが、息子の食べる姿をとても愛おしく感じました。


この二つのエピソードは、料理の魅力を私に気づかせてくれます。
家族や大切な人のことを思って、食材を何にしようか、どんな調理方法でどんな仕上がりにしようか「考える」。
食べる側は、作ってくれた人の気持ちを察し、感謝し、自分をふりかえり、元気になっていく。


同じものを食べても人によっても感じ方はさまざまで、またその時のシチュエーションによっても違ってくるのが料理なんだなとしみじみ思います。

そして、誰にでも共通することは、人生の中で記憶に残る料理があるということ。
そこが料理の魅力なんだなと思います。


あなたにも「記憶に残る大切な料理」がありますか?


私が目指すキッズ食育トレーナーは、食を通して子どもの五感を育て、心身共に豊かな成長を促すお手伝いをしていきます。







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