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太陽ヘルスセンターで心の芯から温まった。

太陽のようにあっつあつのお湯

3月某日。鹿児島市内にある太陽ヘルスセンターという温泉施設に立ち寄った。
3月に鹿児島に行こうと思いそれから市内のいろんなスポットを探していたらこの3月で閉店してしまう温泉が街中にあるというので訪れたかったのだ。
駅近くのホテルから歩いて15分。まぁまぁの距離はあったが建物を見た瞬間、当たりな気がした。
いろんなテナントの入った2Fだったので少し入り口がどこか戸惑いつつもなんとかたどり着いた。
受付には品のいいお姐さん。そのまま支払うのかと思ったら後ろに券売機でと促されてちょっと恥ずかしかった。
いよいよ、入浴。
脱衣所に入ると中の様子が一望できる昔ながらの銭湯感のある造り。
早速服を脱いで中に入る。とにかく明るい。
昼間に行ったので大きな窓からに太陽の光がさんさんと降り注いで天国のよう。
左側に浴槽、右側に洗い場。階段を上がった上に水風呂、その両側がサウナになっているようだ。
広い洗い場はここがずっと賑わってきた証のようだった。
平日午前なので客は地元のおじいさん方が数人と欧米の方が1人いたかな。
ささっと体を洗って階段横のジャグジーぽいお風呂に。
あぁー。おっさんらしいあの声が出てしまった。
お湯は最初無色だと思ったらほんの少し黄みがかっていてでも透き通ったいい塩梅の色。
お湯の温度は少し高めかなと思ったけれど、疲れをとるにはちょうどいい感じ。
あーこれは何時間でも入って入れるなと思った。
僕の入っているジャグジーぽいお風呂からお湯が下のメインの浴槽に流れていく構造で自分の出汁が流れていくんだと思えて少しおもしろかった。
次にジェット風呂ぽくなっているコーナーに入り、それからメインの浴槽に下っていき一通り入ったので、階段上のサウナへ。
サウナは年季が入っていたが煉瓦で囲われていて造りがしっかりしたものだった。熱源の器械は九州の会社のもので製造昭和何年と書いてあった。室内のテレビではNHKの国会中継が流れていた。
サウナはあまり得意ではないがたまになのでしっかり入ろうと15分は頑張った。出た後に横の水風呂を浴びようとしたが予想以上に冷たく無理すぎた。
ちょこちょこ水をかけながら汗を流そうと試みるも断念。下の洗い場のシャワーで結局洗った。

ゲイと銭湯 タブーの話

冷水をちょこちょこ大きな体にかけようとして掛けれなくてを繰り返しながらふと横を見ると階段を上がって右のサウナはすでに閉鎖されているようだった。
さっきまで入っていたのはドライタイプの遠赤外線サウナ。閉鎖されているのは蒸気サウナらしい。
蒸気サウナのドアには閉鎖しましたの旨と公序良俗に反する行為があった為どうたらこうたらとの記載が。
僕はあー何か発展場的な使い方をされたのかなと思った。
ここで実際どういうことがあったのかはわからないが、僕自身はそういうことを温泉施設でしたことはない。
すぐのぼせるし長い時間も入っていられないしお風呂はお風呂でしょと思っているし。
何よりそういう場にするという発想自体がない。
けれど、そういうよろしくない行為をするゲイがいてそれが問題になっているということも知っている。
これに関してはなかなか厳しいものがあると思う。
マイノリティーのゲイ全体をそう見ないでほしいとマジョリティーに言ってもそれは届きにくいだろうし僕も反対だったらそう見るだろうなとは思う。
どこも温泉施設の営業を何とかやっている状況で場合によっては営業の可否にまで関わってくるだろう。
こういう話を聞くだけで結構胸にズーンとくる。同じ属性の人間がそういうことをしているという現実に。
何奇麗ぶってんだ!との声も聞こえてきそうだが、僕は有料発展場の利用しかしたことがない。あまり奇麗ぶれてないか。
まぁ関係ないといえば関係ないのだけどな。一人のアラフォーゲイとしてはきつい。

絵に描いたようなおじいさんとのふれあい

いいお湯だしいいサウナだったし全然長居できる施設なのだけども、またいつものように割とすぐのぼせぎみになった。
完全に熱が処理しきれない状態。
脱衣所にぽんっと出ると肌の表面から熱が逃げていくのが分かった。
脱衣所にはおじいさんが2人ぐらいいただろうか。
ゆっくりなおじいさんたちの動きに合わせて僕もゆっくり服を着ていった。
合わせてというか自然とそうなっていただけなのだけれど。
服をある程度着終わった時、隣のおじいさんに話しかけられた。
え?どうしたのだろうとちょっとびっくりしていると、おじいさんはどうやら背中に引っかかっているらくだ色のシャツを下ろしてほしいらしい。
絵に描いたようなおじいさんとそのほのぼのすぎるお願いに瞬間的に妙な感動を覚えた。
背中の上のほうでくるっと丸まってひかかっているシャツを下してあげると笑顔でありがとうと。
まぁゆっくりなその動きによう風呂入りに来れたなと。その後もゆっくりゆっくり動いておじいさんは帰っていった。
人間あんなに亀みたいになれるんだと思うと何ともいとおしく感じた。
心の芯まで温まり外に出るとまた別のおじいさんがいてエレベーターに乗ろうとしていたので横にある階段で下に降りた。
建物の内側にある階段には初めて来たのになつかしくなる絵が描いてあった。階段を降りるときの風は最高に気持ちよかった。

建物外観
戦利品のタオル
なつかしさ漂う階段

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