見出し画像

保険見直しのド頭で受けたショック・・・

保険の見直しをすることにした。
日本にはそれなりにキチンとした社会保障制度があり、いざとなっても医療に辿り着ける素晴らしい国だということは、なんとなく知っている。年金、生活保護、高額療養費制度などが頭に浮かぶ。世界屈指の長寿大国だ。
10代の頃に親が加入し、社会人になってから約20年、自分で保険料を払い続け、一度も保険金を受け取ることなく、健康に生きてきた。現時点では、無駄金だったと言える。
しかし30代後半から、腰が痛い、肩が上がらない、寝つきが悪い、トイレが近い・・・など絵にかいたような典型的な老い衰えを感じることになり、大病するかも、入院するかも、が自分事に思えた。
貧すれば鈍するというが、病に侵されたとき、お金の心配を二の次にできるかどうかは、予後に大きく影響するのではないかと考えている。
そこで、保険の見直しをすることにした。
しかも、アプリのバナー広告曰く、保険見直しを検討することで、美味しいものが当たるというではないか!
見直さない手はないと思い、オンラインでファイナンシャルプランナーと面談をした。

ノーメイク、部屋のダサい壁紙をぼかしを入れることなく映し、オンラインという形式に甘え切ったスタイルで臨んだ。
スマホの画面越しに、簡単な挨拶を済ませると、ふとファイナンシャルプランナーの女性が優しく、「くすかさんいくつまで生きられるおつもりですか?」と聞いてきた。
すかさず、「60代後半くらいで死にたいですね。早いに越したことはないですね」と答えたと思う。
先の見えない超高齢化時代に、長生きしたいと願う人は少ないだろう。
そう思う人が多いことは、倫理的、道義的に悲しいことかどうかは、横に置いて、人生100年時代という恐ろしい戦国時代を生き抜く自身も気力もないのが現実だろう。ピンピンコロリが理想だと考える人は多いはずだ。
画面の向こうのファイナンシャルプランナーが
「そうですか。では、お身内の方は、おいくつくらいまで生きていらっしゃいますか?まず、おばあ様はどうでしょうか?」
「今、99歳で健在です。母方の親類は長生きな人が多いですね・・・父方はガンで亡くなっている人が多いです」
「最近はでは、ガンに罹る確率は遺伝しにくいと考えられていて、くすかさんも長生きされる可能性が高いです。仮に、85歳まで生きるとすると・・・」
と言いながら、ライフプランの説明が始まった。

父親のように不健康がたたり、60そこそこでガンに罹り、闘病空しく・・・と漠然と考えていたが、ガン罹患率には遺伝的要素が低く、長生きするだろうと言われ、愕然としてしまった。そこから先の事は、なんとなくしか記憶が無い。会社の福利厚生や保険組合のことを答えたが、自分も人生100年時代の一員だと改めて告げられて、ショックだった。
長生きするしか選択肢がないのか・・・

いやいや、向こうも保険を売り込むための営業トークだろう。と思い直したが、少子高齢化が解消されるとも思えないので、いつまでも医療費の3割負担が続くか分からないし、高齢になっても、医療費1割負担の仲間入りできる気がしない。
なのに、長生きせざるを得ない。なんと世知辛いことだろう。

そんな訳で私の心境は、保険の見直しどころではなくなったが、もし、美味しいものが当たったあかつきには、喜んで食らおう。生きる気力が出てくるかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?