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AORの伊達男は、月日を重ねてJAZZYな好々爺となりにけり

56歳の親父が人生で100回以上聞いた100枚のアルバム紹介第54弾!

「Speak Low」 BOZ SCAGGS

2007年発売

AORといえばボズ・スギャッグスと言われる程、AORを代表する存在。

AOR好きの私は当然学生の頃にドハマりした存在です。

でもAORの中で一番好きかと言われると、意外と順位は低め。

恐らく理由はボズの音楽的ルーツにある。

元々デビューはスワンプロックやニューオリンズやブルース色の強い音楽でした。

しかし余りパッとせず、AORという分野にスタイルを代えた1976年の(シルク・ディグリーズ)で大ブレイクしました。

なのでその後AOR路線一本となるのですが、やはり元は泥臭い音楽が好きなので、時折その片鱗は見えるんです。

そこが私にはもう一つで、ジャズやボサノバベースのその他のAOR系アーティストよりは、ランクが下になってしまいます。

夫々持ち味があるし、売れ行きだけですればボズは間違いなくAORのトップだから、その点に対しては何も文句はないです。

そんなボズが晩年ジャズのカバーアルバムを出しました。

初めは今作より4年早く2003年に(But Beautiful)というアルバムを出したんですが、個人的には今一つピンと来ませんでした。

でもソコソコ評判が良かったみたいで、今作が登場。

今作はギル・コールドシュタインの編曲がドンピシャでした。

60も過ぎて声もそんなに出なくなったボズの渋い声を逆に活かして、物凄くゆったりしたアレンジがされています。

これはありだと思いました。

というか下手した絶頂期のAORアルバム達より好きかもです(笑)。

選曲もそれ程有名ではないスタンダードジャズを選んでいるの功を奏した感じです。

ジャズの難しさを取っ払い、ゆっくりと安心して聞ける名盤だと思います。

英語圏の世界は最後はジャズという強みがあるからいいんですね。

日本だと演歌になってしまいますもんね(演歌も大好きだけど)。

騙されたと思って聞いてみてください。

中々良いですよ(笑)


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