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My Favorite~兵庫県立美術館と「安井仲治展」

神戸市の中心地・三ノ宮から少し東に行ったところに、県立美術館がある。トップの写真はその美術館の一景色だが、ご存知の方はこの青いリンゴを見るとすぐにピンと来るのだろう。そう、ここは建築家・安藤忠雄氏の手に成る美術館なのだ。

先日私が行った日も、この写真のように快晴で、青いリンゴが綺麗に映えていた。ちなみに同美術館には、安藤さんのお仕事の一部を紹介する展示コーナーがある。今回初めて見たが、建築物の模型やらパネル及び映像による紹介やら、小さめの展示スペースながら結構見て感心させられる内容だった。この展示自体は無料で見られるので、今度また時間ができたらじっくり見に行くのも悪くないなと思っている。

そう、このときは展覧会を見終えた後で、まあまあ疲れていたのだ。

兵庫県立美術館と言えば、結構話題になる展覧会も多く催されている。

ゴッホ展も有名だが、こんなのもあった。

さて、今行われているのは、「安井仲治」展。ポスターには絵画のような趣の写真が使われている(実際、写真家だと知るまで、これは絵画だと思いこんでいた)。下のリンクを開くと、冒頭に出てきます。

wikipediaによると、戦前戦中のアマチュア写真家とある。

ただ、実際に展覧会に行って説明書きなどを読むと、当時の写真界では大きな影響力を持っていたらしい。

初期の頃は、先のポスターのような、絵画的な作品が並ぶ。

一方、中盤以降はディペイズマンというシュールレアリスム的な作品が増えてくる(説明書きによれば「ディペイズマンのような技法」だが)。

デペイズマン: Dépaysement) とは、「異なった環境に置くこと」を意味するフランス語で、シュルレアリスムの手法の1つ。日常から切り離した意外な組み合わせを行うことによって、受け手に強い衝撃を与えるもの
(wikipediaより引用)

分かりやすいのがこの写真。

https://collection.topmuseum.jp/Publish/detailPage/7121/

リンク先には安井の作品「斧と鎌」がある。農機具である斧と鎌を並べている写真だが、斧と鎌が自身の影と相まって文字を作っているように見える。

このように本来持っている機能や意味とは関係のない、新しい秩序を提示する手法と言えばいいんだろうか。

私は趣味で俳句を少しやるんだが、俳句の手法である「取り合わせ」にも通ずるものがあるじゃないかと、興味深く拝見した次第だった。

…で、これらの写真をずっと見続けて、出口についた時にはクタクタに疲れてしまったというわけです。

知人曰く、「今回の展覧会は、あまり人の動きがない」らしい。確かに、平日に行ったこともあるがギャラリーは少なめだった。ただ、いい作品が多いし、戦前戦中の日本の市井の様子を知るにもいい展覧会だと思う。

そりゃあ、ゴッホ展や怖い絵展とまでは行かないだろうが、いいアーティストに目を付けられたのではないかという気がする。

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