たった一言でチームの仲間の【結束力】を高める

たった一言でチームの仲間の結束力を高める
ロンドン大学クイーンメアリー校などの研究
対象者：90人

・研究の意図
世の中には協力したほうが物事がスムーズに進むことが多々あります
ですが、中には自分の利益を優先して、協力しない人もいます
そこで、どのようなことをすればチームの仲間が協力してくれるのか調べました

・研究の内容
90人の被験者を5人ずつのチームに別けて、公共財ゲームをプレイしてもらった
ゲームの際には条件を儲けた
一つ目、投入した金額を宣言する(ただし、実際の金額と異なっていても構わない)
二つ目、投入した金額が明かされる
三つ目、投入した金額が不明のまま
3種類の条件のうち、いずれかの条件を課してプレイしてもらった
お金の投入を何度か行ってもらい、どの条件の時にチームが協力的か調べる

公共財ゲームとは
プレイヤーにお金を持たせて、公共のポットにいくら投入するのか決めるゲーム
公共のポットに投入された金額は倍率に応じて増額され、すべてのプレイヤーに均等に分配される
全員が等しい金額を投入すれば、倍率に応じて金額を等しく儲けることができる
ただし、裏切りものがいて、金額を投入しないと、その人は元から持っていたお金と、分配されたお金の両方を持つので、一番お金を多く持つことになる
全員の利益を優先するか、自分の利益を優先するか、を調べるゲーム

・結論
他のプレイヤーの情報が明かされている場合、チームは協力的になり、投入する金額も大きく増えた
さらに、具体的に投入する金額を宣言した場合、他のプレイヤーも協力的になる確率が増えた
自分で宣言するだけでなく、他の人に具体的にいくら投入するのか聞いても効果があった

ただし、『次はたくさん投入します』と、金額を明示せず、あやふやに答えた場合は、不信感を募らせた

宣言することは連帯感に繋がり、チームを協力的にする効果がある、とのこと

・感想
自分の行動を具体的に口にすることでチームが協力的になるのは驚きである
新しいプロジェクトが発足して、顔見知りがいない時に使いたい
チームが協力的になれば、仕事も進めやすい
『○○会社に商談に行ってきます』『来月までに10件成約します』と、積極的に言葉にしていきたい

また、具体的な宣言がどこまで有効なのかも気になる
たとえば、『トイレに行ってきます』『お昼にはカレーを食べます』などの仕事とは関係ないことでも効果があるのだろうか？
あるとするなら、思ったことを口にする人は最強ではなかろうか？

#チーム
#協力
#結束力
#公共財ゲーム
#パブリックコミットメント

参考文献
Verbal interaction in a social dilemma
https://doi.org/10.1177/10434631221094555