縁起=この世界はすべて繋がっているー素粒子論よりー【人生工学 第4章②③】
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では、早速!
②、全てを素粒子で考える
第4章で出てきたように、全てが素粒子で出来上がっていると考えてみましょう。すると世界のありとあらゆるものはエネルギーであり、たまたまその合わさり方が違って別物のように見えているだけとなります。
またあらゆるものが素粒子という”物質”を最小単位としていると考えれば、この世の中は全てレゴブロックのようで、バラバラにすれば元は同じようなものだということになります。さらに、あなたの肌の上や文字通り目の前には、光や気体の素粒子が存在していて、密接に繋がっています。
たとえば絵の中では、背景も人も物も、必ず隣同士でつながっています。それらは連続して1枚の絵となっていて、完全に独立していることはありえません。あえてヒトを白い背景で空間や孤立を表現したとしても、「白い背景」とヒトは隣同士、連続しています。現実でもあなたの目の前には空気や光、電子波など、『見えないなにか』が存在しています。
あなたも、あなたの目の前の空気も、元は素粒子から成り立っていて、今も目の前に連続しているのです。
そして最後に「全てが繋がっている」視点から、「本当の自分」とは何か?を見ていきましょう。深すぎるほど深い自己理解に至れば、きっとあなたの世界観を押し広げてくれることでしょう。
③、あなたの考えも名前も外から来た。
<図表>
最後にお伝えしたいことは、あたかも「自分そのもの」と考えてしまいがちな名前や性格、考え方自体も、すべてあなたの中ではなく、あなたの外から来ていませんか?という視点です。
ちょっと簡単な実験をしてみましょう。まず、昨晩のご飯を思い出してください。どんな夕食を食べましたか?白米?外食?ハンバーグ?しっかりと思い出してみましたでしょうか。
いま実験の文章をしっかり読んだ方は、自然と”昨晩のご飯”を考えたかもしれません。あるいは同じようなことを聞かれた昔の記憶を思い出したでしょうか。逆にしっかりと思い出していなかった方は、この本の内容に集中して何も考えず、ただこの本の内容を頭の中で再生していたかもしれません。
このように、この実験中あなたは何かを考えていました。いずれにせよ、この本の内容や、あなたが置かれた今の状況に引っ張られて考えませんでしたか?「昨晩のご飯」のことを聞かれて初めて、それに関連することを考え始めたのではないでしょうか。もし全く違う内容で「お腹すいたな」と考えていたとしても、それはあなたが数ある思考の中から「これを考えよう」と選び取ったのではなく、ふと食べ物が目に入ったり、お腹がなった音を聞いて考え始めたことではないでしょうか。
生きていると、あたかも「自分で考えている」ような錯覚におちいりますが、実際のところは常に周りに影響されて「気づけば勝手に考えさせられている」という状態です。考えは周りの言葉や環境などに影響されてしまいます。「いいや、私は自分で0から考えているはずだ」と考えたとしても、その考え自体がこの本を読んだから生まれたものではないでしょうか?
そもそも、考えに用いている言葉は、あなたではない他の誰かが開発したものでしょう。あなたの名前もあなたではない人がつけたことでしょう。もしあなたが自分で自分の名前を決めたとしても、それは今までのいろんな周りとの経験や知識から、自然と”これがいい”と考えさせられているものになります。
あなたの性格でさえも、「昔に親と遊んだ頃の経験」や「他の人と接した経験」から出来上がっているものでしょう。周りとの繋がりの中で、あなたの人格そのものが出来上がっています。
このように考えると、自分と相手、自分と他の動物、自分とモノや自然は全く別なモノではありません。むしろ、あなたは生まれた瞬間から今まで、周りの環境や食べ物、人によって作られ続けてきました。このようにしてあらゆるものが繋がっているのです。
仏教ではこのような考え方を「縁起」といいます。全ての現象は他の原因や条件が互いに繋がって成立しており、独立していることはありえないとする、悟りの境地の教えの1つです。
この世界は本質的に、あらゆるものが密接に繋がっています。プロセスは常に結果の連続でしかなく、結果は常にプロセスの積み重ねです。「自分は自分、他人は他人」ではなく、「自分は他人との出会いの積み重ねでしかない」のです。周りの環境も、周りの人も、それ自体があなたになるのです。全てがつながっているからこそ世界は同じで、世界は一つと考えられるのです。
そう考えると、この世界はなんだか温かく、愛があるような気がしてきませんか?
さらにこの考えを応用した時、「本当のあなた」とは何でしょうか?名前ですか?性格ですか?考え方ですか?体ですか?それはどれもあなたそのものではありません。名前が変わっても、性格が変わっても、考え方が変わっても、あなたはあなたではないですか?体は変わっていない様に見えても、毎日1兆個もの細胞が新しく生まれています。
”あなた”を”あなた”たらしめているものが1つだけあります、それは、あなたの意識です。あなたが”わたしという意識”を持っている限り、名前が変わろうと、記憶が全て変わろうと、手足がなくなろうとも、あなたはあなたなのです。
「私は引っ込み思案だ」「私はみじめな体だ」と思う必要はないのです。本当のあなたは性格でも体型でもないのですから。本当のあなたは何ものにも縛られない意識として、存在しています。
「わたしたちの本質は意識かもしれない」ことに気づくと、驚くほど世界の見え方が、あらゆるものの”意味”が変わってきます。いよいよ人生工学の真髄に入ってきました。次の章に参りましょう。
↓ 第5章へ続く↓
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