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美少女妄想記録 ~11人目~

割引あり

 昔の俺は自己肯定感が極端に低かった。それまで勉強もスポーツも遊びすらも、人より上手くいったという経験がなかった。そもそも何でも人と比べてしまうという性格に問題があったのだろうが、とにかく自分の行動に自信が持てず、褒めてほしいという密やかな願望はありつつ、常に誰かの批判を恐れながら過ごしていた。「変わりたい」という気持ちは確かにあった。しかし、自分から行動を起こすことはなく、誰かが何とかしてくれないかと心の片隅で祈り、待つだけだった。
 そんなしょうもない悩みを唯一の親友に話すと、彼は少し考えた後、彼がボランティアをしている少年少女バスケットボールチームで一緒にボランティアをしてみないかと言ってくれた。そもそも彼と俺が仲良くなったのも小学生の時に同じバスケットボールチームに所属していたからであり、バスケットボールは俺ができる数少ない事柄の一つだった。俺は、俺なんかで良いのかと彼に尋ねたが、彼は問題ないと言い、もしやってくれるなら次のボランティアの日に監督に聞いてきてくれるとのことだった。俺は上手く指導できずに年下の子供達にすら馬鹿にされるのではないかと正直恐かったが、彼が何度も大丈夫と言ってくれたので、俺はこれが何かが変わるきっかけにもなるかもしれないと思い、お願いすることにした。
 その数日後、彼から、監督がぜひ来て欲しいと言っていたと言われた。俺はその言葉を聞き、まだ会ったこともない人ではあるが、誰かに認められた気がして安堵したとともに、その期待に応えられるだろうかと不安になった。そして、その日から俺は昔の感覚を取り戻すために、親友に付き合ってもらい、自主練をして出来る限りの準備をした。
 それからさらに数日後、いよいよボランティア初日となった。親友はまた大丈夫と背中を押してくれた。体育館に入ると、男女合わせて30数人程の子供達が練習していたが、俺が入ってきたことを見ると、皆手を止め、息を揃えて挨拶をしてくれた。俺はその勢いに押されつつも、何とか挨拶を返すことができた。挨拶が終わると、子供達はまた練習に戻り、俺は親友に連れられて監督の元に向かった。親友が監督に俺を紹介すると、監督は笑顔で迎えてくれた。そして、俺のバスケ歴や親友との関係について聞くと、今日からお願いできるかと聞いてきた。俺はボランティアとはいえ、実技テストのようなものがあると思っていたので驚いた。俺が焦りつつも問題ないと答えると、監督は早速練習メニューやメンバーについて教えてくれた。練習メニューについては、自分がやっていた頃と大きく変わりがなかったので、割とすぐに理解できた。メンバーについてもやっていくうちに覚えるだろうということで大丈夫という話になった。その他、細々した点についても一通りの説明を終えると、監督は一度全メンバーを集め、俺の紹介をしてくれた。俺も自己紹介をすると、子供達はまた礼儀正しく、挨拶をしてくれた。
 その後は、親友にくっついて練習の手伝いをした。俺は最初は邪魔にだけはならないよう、最低限のことだけしようと思っていたが、次々に仕事を任され、いつの間にか全力で練習に参加していた。最初は遠慮が見えた子供達もそんな俺の様子を見てか、徐々に全力でぶつかってくるようになった。子供とはいえ、中にはかなり上手い子もいて相手をしていて楽しかった。そんなこんなで一瞬で時間が過ぎていき、練習が終わった頃には自分もヘトヘトになっていた。
 練習が終わると、帰る子達と残って自主練をしていく子達に別れた。子供達はほとんどの子が残り、俺も親友が残ると言うので一緒に残ることになった。つい数分前まであれだけ動いていたのに、子度達はまだまだ元気だった。しかし、先ほどまでの張り詰めた緊張感はなく、皆どこか遊び感覚で練習していた。そのおかげで、自主練が終わった頃には、子供達との距離はグッと縮まっていて、ふざけてじゃれついてくる子もいた。俺はそれがとても嬉しかった。
 自主練が終わった帰り道、俺はその日の事を振り返り、胸が一杯になった。子供達に求められたことで自己肯定感が高まったということもあるが、そんな面倒くさい分析抜きで、単純に楽しかったし、久しぶりに充実した時間を過ごせたことに満足だった。
 それから俺は行ける日は毎回練習に参加し、一カ月もすると、すっかりチームになじんでいた。そして、その頃には、まだ入ったばかりの小さい子供達の指導を一人で任されるようになっていた。任された時には、それだけ信頼してもらえるようになったのだととても嬉しかった。
小さい子供達の指導はある意味で上手な子供達の指導よりも難しく、上手くいかないことも多々あった。しかし、下手くそながら真剣な子供達の顔を見ていると、こちらも熱意が湧いてきて、やりがいはあった。そして、何より小さい子供達は人懐っこい子が多く、心から慕ってくれているのが分かり、嬉しかった。
 その中でも特に距離が近く、俺のことを兄か何かと思っているような女の子がいた。その子はチームに入って半年程で、やっと試合形式の練習ができるようになってきた子だった。練習中こそ真面目に取り組んでいたが、休憩中や練習後などは必ず話しかけてきて、時によっては飛びついてきたりもした。初めは何とも思わず相手をしていたが、次第に抱きついてきた時などに意図せず触れてしまう胸や尻の感触にドキドキするようになり、毎回自分の感情を抑えるのに必死だった。俺は最初こそ頑張って耐えていたが、段々、少しくらいならバレないのではないかという気持ちが生まれ始め、少しずつ意識的に彼女の身体に触れるようになっていった。例えば、休憩中に彼女が後ろから抱きついてきた時におんぶをするふりをして軽く尻を撫でたり、練習中にもシュートの姿勢を正す際に胸に触れたりといった感じである。それもしばらく続くと彼女も俺が身体に触れて当たり前と思うようになってきて、多少身体の感触を確かめるように触れてもくすぐったいと笑うだけで何も言わなくなってきた。その頃の俺は彼女に対して、完全に邪な感情で支配されていた。彼女もどこかでそれを分かっている気さえしていた。

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