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ジャニーズNG記者リストの知られざる核心

ジャニーズ事務所が10月2日に開いた2回目の記者会見に関して驚きの事実が明らかになった。
NHKの報道によると、記者会見で質問NGの記者リストが事前に作成されていたというのだ。またジャニーズ寄りの質問をする言わば「さくら記者」の存在も指摘されている。
このNHKの報道を受けてSNSなどネットは騒然となっている。
この爆弾報道でジャニーズ事務所の信用は決定的に損なわれてしまったようだ。しかしこのNG記者リスト問題の本当の核心は別のところにある。それはNHKがよりにもよってニュース7のトップで報道したということだ。

最初にNHKが報道

この質問NG記者リスト問題で一番重要な点はNHKが、しかもニューズ7で、さらにトップで報道したということだ。
”ニュース7”は、”おはようにっぽん”、”ニュースウォッチ9”と並ぶNHKを代表する報道番組だ。しかもメインキャスターは、これもNHKのエースアナウンサーである和久田真由子アナだ。つまりNHK報道のトップ・オブ・トップだ。その番組の更にトップ項目で報じられたのだ。
これは、NHKの少なくとも報道部門は、この問題を最重要問題として扱っているということの表明に他ならない。

NHKの報道は腹をくくった

今年3月のBBC報道以来、NHKの内部ではジャニーズ性加害問題を巡って、喧々諤々の議論が行われていたはずだ。
紅白歌合戦や大河ドラマを抱えるエンタメ・ドラマ部門は、当然ジャニーズタレントの起用継続を主張しただろう。
一方で、クロ現などのニュース報道部門やNHKスペシャルを抱えるドキュメント部門は、公共放送の使命として徹底した追求と報道を主張したと信じたい。
その間で、ジャニーズタレントを排除した場合の視聴率低下を懸念する営業部門や企画経営部門は、ジャニーズタレントの起用や報道の取り扱いを巡って逡巡をしたに違いない。
要は「揉めにもめていた」のは想像に難くない。

NHK会長の会見が引き金か?

このような状況の中、ニュース7が報道に踏み切った切っ掛けとなったと思われることがる。それがNHK会長による記者会見だ。9月27日に行われたNHKの稲葉会長による定例記者会見では、ジャニーズタレントの新規出演依頼は行わないとの発表が行われた。
しかし同時に、ジャニーズ事務所とNHKとの癒着関係については、NHK自身は内部調査は行わないと発言していた。またNHKのジャニーズ性加害問題への取り組みは、それぞれの各番組内で行うと発言していた。この隠ぺい宣言とも言えなくもない内部調査否定発言を受けて、SNSなどではNHK批判の投稿が相次いでいた。


NHK報道部門のクーデター?

このジャニーズ問題に対するNHK会長の生ぬるい対応に業を煮やしたNHK報道部門の回答が、今回のニュース7による爆弾報道と考えても違和感はない。
もちろんNHK首脳部で、ジャニーズ問題の取り扱いに関して、ある程度のコンセンサスができた上での報道の可能性もある。しかし一番可能性が高いのは、稲葉NHK会長の玉虫色の発言を受けての報道部門の一種のクーデターというものだ。
このNG記者リストの爆弾報道を巡っては、少なくともNHKのニュース部門のチーフプロデューサー、デスククラスは腹を括ったのだろう。今後は報道と編集権の独立を盾に、ジャニーズ問題に切り込んでいく可能性が高い。
NHKの報道部門が積極的な報道に舵を切ったなら、NHKの上層部やエンタメ・ドラマ部門、営業部門は報道に圧力をかけるかもしれない。その場合でも、プロデューサークラスだけでなく、現場のディレクタークラスも含めて、報道部門が結束して当たれば、報道の独立を確保できるかもしれない。たとえば、報道部門の主要記者やディレクターが辞表をプロデューサーに預けるなど、要は血判状のような形をとって報道への介入に抵抗するのだ。多数の有力記者やプロデューサー、ディレクターが結束すれば、天下りのNHK会長も受け入れざるを得ないだろう。

以上はあくまでも想像の話だが、NHKの今回のニューズ7のトップ項目、しかも和久田真由子アナが読上げたという点は、これくらいの重い話だろう。何しろ全国廿浦浦のお茶の間に放送されたのだ。

NHKから爆弾が投げ込まれる?

いったん勢いがつけば、そこは天下のNHKの報道部門だ。ネタはいくらでも揃えられるだろう。数人の記者で取材をしている文春などの週刊誌では対抗できない物量作戦の取材が可能だろう。例えば全国各地の支局を動員して過去のジャニーズの被害者を探し出し、インタビューを集めることぐらい朝飯前だろう。
また、自分たちの同僚であるNHK職員の不祥事でも遠慮なく報道するかもしれない。既に週刊誌や夕刊紙では、ジャニーズに天下りした元理事を含めて、複数のジャニーズ担当の職員が、ジャニーズ事務所から接待を受けていたとの報道が出ている。中には、毎年のようにハワイ旅行に招待されていたとの話まである。また政治部の記者が、ジャニーズのチケットを政治家に配っていたとの報道も夕刊紙ながら出ている。
民間企業でも背任に問われそうな大問題だが、NHK の場合には、公共放送という特殊な立ち位置から、国会で追及される恐れもある。それも含めて、少なくともNHKの報道部門は、腹を括ったというだろう。

これから年末にかけてNHKからさらにジャニーズ関連で爆弾が投げ込まれる可能性が高い。爆弾が破裂したのだ。

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