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⑥心と体

体を壊す

45歳の時に、ハードな仕事で体を壊した。
残業が月に80時間とか100時間いくこともあった。
22時頃まで仕事したり、終電に飛び乗ったりすることもしょっちゅうあるような生活をしていた。

でも仕事は楽しかった。
楽しかったから、無理をしてる自覚が無かった。
自分を認めてもらえる、必要と思ってもらえることが嬉しくて、仕事に依存していた。

そんな仕事を10年続けて、ある日突然、体が動かなくなった。

会社で息が出来なくなった。
頭から血の気がひく感覚が絶えず襲ってきて、座ってもいられない状態になった。
動悸、めまい、不整脈、不眠、不安。
体がパンクした。

それでもだましだまし働いていたけど当然限界が来て、休職することになった。
10ヶ月の休職期間でも回復せず、退職。

そこから5年経った今でもまだ体調は低空飛行。
今は在宅で週に3日ほど仕事ができるようになったけど、通勤や家を出ての仕事はまだ考えられない。

自律神経失調症と診断されているけど、不安神経症なども言われたことがある。
心療内科や、鍼灸や漢方と色々試した結果、ずいぶんマシにはなっていて、近所には外出できるまでになった。

思いつきの、早く出ていけ

早く家を出て行けと母親に言われたのは、体を壊して2年目あたり。
外出もままならず、まだまだ動けない日もあるような状態。
食べられず、体重も10キロほど落ちていた。

こんな状態にも関わらず、弟にお金あげるからあんた早く出て行け。
頭がおかしいんじゃないの?
私が家に戻ってきたのは、母親が死ぬ死ぬと騒いだからだ。
そうでなければ、こんな家に戻ってない。
ひっぱり戻しておいて、用が済んだら今度は出て行け。

出て行けと言うなら、バリバリ働いていた時に言うべきだ。
父親も施設に入っていたし、その時なら、何の問題もなく出て行けてた。
施設に通うのに私の運転する車に乗るためと、何かあった時にも私が必要で、そんなこと考えもしなかったくせにね。

全部自分の都合。
その時の気分、思いつき、気まぐれ。

私には何かしたらその都度お金を払ってるから、もう十分お金を渡してると思ってる。
1000歩譲ってそうだとしても、じゃあ弟は数ヶ月に一回電話したぐらいで、家を売ったお金を貰えるんだ。
昔からだけど、えこひいきが過ぎる。


父親は最後は病院に入院していたのだけど、そのお見舞いも体が動かず満足には行けなかった。

私が「少し落ち着いてるから明日は行こうかな」と母親に言ったけど、次の日になると動けなくて行けなかったことがある。
「やっぱり今日は行けない」と私が言うと、母親は笑って言った。
「今日も!やな。ハハハ」

アダルトチルドレン、代償は大きい

母親に出て行けと言われてから次第に目が覚めて、自分がアダルトチルドレンというものだとわかった。
毒親、共依存という言葉も初めて知った。

本を読んだりネットで情報をあさった。
アダルトチルドレンは心が疲弊しているので、体の不調をきたす人が多いそうだ。

子供の頃から、私は体の調子が悪かった。

小学生の時に、床を転げ回るほど胃が痛くなり、泣きながら胃が痛い、と母親に訴えた。
母親は、胃薬買ってくるから待っとき、と出て行ってしまった。
家で一人でのたうち回り、そのうち寝てしまった。気絶かもしれない。
母親が帰ってきた時には、痛みはおさまっていた。
この胃の痛み、子供の頃から度々悩まされて辛かった。
病院には連れて行ってもらっていない。
今も胃は悪い。

高校生の時には、息が出来ないことが度々起こった。
吹奏楽部でフルートを吹いていたので、そのせいだと母親には言われた。
今でもフルートのせいでおかしくなったなぁ、などと言われる。

これも高校生の頃、下腹部のズキッとした痛みが続き、婦人科に行くことになった。
母親は、ハイ、と保険証を渡してきただけだった。
私は一人で自転車に乗って、登下校の途中で自分で見つけた婦人科に診察に行った。
その時の不安と恥ずかしさは、今でも覚えている。

色々と不具合の多い私に、友達が「〇〇ちゃんって不幸やな」と言った。

なんで自分はこんなに体が良くないんだろうってずっと思ってた。
機能不全の家庭のせいだったとわかって、腑に落ちた。
毎日毎日、母親が恐怖、穏やかでない落ち着かない環境で生きていたら、誰だっておかしくなる。

ましてやそれが子供なら、逃げ場もなくただ内にストレスを溜めることになる。
その代償として、体が壊れる。

ハードな仕事で体を壊したのも、元々壊しやすいのに、自分のキャパが小さいのに、無理をした。
無理をしてる自覚は無かったけど、体は正直だ。

他にも甲状腺機能低下症、喘息、多血症と、体を壊す5年ほど前にいっぺんに現れている。
急にパンクした訳ではなく、すでに穴は空いていて、空気は漏れ出していたんだな。

どれも幸い、今のところ重度ではないので、ここから体に負担がかからないように、心をいたわって生きて行きたい。

そのために今こうやって、つらつらと吐き出している。

ここまで読んでくれている方がもしいたら、心を込めてありがとう。
私はまだ過去を受け入れられていないので、どうしても過去のことは暗いタッチになるけど、未来を諦めたわけではない。
ここから自分の人生を生きようと思ってる。
まだ50歳。なんとかしてやろうと、日々もがいている。

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