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平成レトロ

30年近く前の学生のときの話。新宿歌舞伎町コマ劇前にはオデオンという名のパチンコ屋がありました。場所柄得体の知れない人たちが沢山出入りしてて、いまで言うダイバーシティの最先端だったなと記憶してます。

北海道の牧場で働いていたけど嫌になって新宿に出てきた青年、ホストやチンピラ崩れのカップル、イケナイ貿易商をしているという顔に切り傷ある中国人のゲイカップル。営業サボリ、暇なマッサージ屋経営するオバさん、警備仕事の帰りに缶チューハイ片手に負けまくる赤鼻のオジさん、、まさに多様性と人種のるつぼ。

そして一際異彩を放っていたのが、いつも大勝ちしてる野球帽にちょんまげ結びのパチプロ青年と、いつも負けまくり常連から店員にまで金を借りまくる自称俳優業のオヤジ。この二人は私の人生や人格形成に大きく関わる人たちです。

そんな中私は当時ギャンブルとしてハマっていたパチスロが設定判別することで儲かる台だと分かり、連日学校もバイトもそっちのけで小金を稼ぎ続けた機種が山佐が誇る4号機不朽の名作ピンクパンサー。

ナナ、ナナ、パンサー、がでたらもうすぐ当たりだから1000円貸してくれ、ナナを揃えてくれ、目押ししてくれ、ありがとう缶コーヒーあげる、どこから来たの?あそこのオバさんは女優さんなんだって、オレは3人くらい人殺しをした、一昨日青島都知事が視察きた、当たらないね、今日は台風来てるから出ないかな、右から押せば当たりやすい、一番左端の台に座ってたおばあちゃんはこないだ1ゲーム目でいきなり当たってビックリ卒倒して救急車、その隣台は店長が遠隔操作しててキレイなお姉さんだけ当たりにしてる、、、とかなんとか、、、

あらゆるオカルト様々な言語がまかり通ります。ギャンブルで身を滅ぼす人も多かったけど、これも一つの集い場でサードプレイスだなーと今は思えます。まだスマホもググるもない時代。スロットマシーンに向き合いながら、みんなウソやデマ、ホラ話にバカ話、都市伝説のように垂れ流され続けた、みんなギャンブルのワクワクが目的だけど、そこには確かにアナログでテキトーな繋がりがありました。

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