ある解離性同一性障害患者の1日


この患者は特殊であった、いわゆる最近SNSで煩いような人畜無害系な解離性同一性障害患者では無かった。言ってしまえば解離性同一性障害患者の殆どは無害である。ただ、人格が複数あって協力し合って、何とか生きている。色々苦労はあるけれどみたいに。人格は分裂していても、一個人としてはちゃんと自立している、だから社会が積極的に排除するということはない。
しかし、この患者は常識的な主人格ジキルと暴力的なハイドのような加害者そのものだった。
この患者Aは男性であり、犯罪歴は無いが非行というか問題行動は幼少期からかなりある。

が、主人格の中では何もない。不都合な事はハイド人格が処理してくれている。彼のペットは変な死に方をしたが、失踪した事になっている。ハイド人格が何かしたかもしれないが、彼に聞かないとわからない。というか、主人格の感知するところではないので気にしていない。

こういう人間からすると、日本の法制度は凄く上手く出来ていると思う。上記の患者Aの言い分なんて通用するはずもないからだ。
結局、サイコパスだろうと人格障害だろうと犯罪は犯罪として処理されるので逃げられない。一歩譲って、障害だから情状酌量を狙うくらいだろう。
主人格からしたら前科が付く事が1番許せないのだ。
第一、何故やってもいない事に責任を取らなくてはいけないのか?ハイドの方で処理して貰いたいと本気で思っている。
ハイドはハイドで拘束される意味がわからない。
高々、犯罪くらいで。だって遊びなんだから。

いい加減ハイドを止められ無くなってきた。というか止める義理はあるのか?
というか今まで散々ハイドに楽しませて貰ったのは主人格だって話である。

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