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#70 誰でも読めるMTG英語 goad の意味は「嗾ける」

今回のカード

今回のカードはこちら

《壮大な決戦》

Commander Legends: Battle for Baldur's Gate(統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い)」収録のカードです
名前の「spectacular(スペクタキュラー)」が「壮観」や「劇的」
「showdown」が「(最終)決戦」や「土壇場」の様な意味です

今回はキーワード処理やキーワード効果に加え、文法的な話も少々
その部分はやや小難しい話になりますが、結果だけ見れば見慣れたものなので、理解できなくても感覚で訳せるかもしれませんね


使役動詞の過去分詞 と goad

Put a double strike counter on target creature, then goad each creature that had a double strike counter put on it this way.
(Until your next turn, those creatures attack each combat if able and attack a player other than you if able.)

「double strike」は#20でやった「二段攻撃」なので
「Put a double strike counter on target creature」は
「対象のクリーチャーの上に1個の二段攻撃カウンターを置く」

「then」は「その後」
動詞「goad」はキーワード処理なので、後で注釈文と一緒に訳します

「each creature」は「各クリーチャー」
その直後の「that」の後には動詞「had」が来てるので
これは関係代名詞の「that」でしょう

そして「had」の後には名詞「a double strike counter」と動詞「put」
これは#30でやった「主語 have 名詞 do」の使役動詞の形ですね
意味は「主語 が 名詞 に do させる」ですが
今回は主語に相当する部分が関係代名詞の「that」で、更に「had」と過去形なので
それも含めると「名詞 に do させた 主語」の形になり、
「二段攻撃カウンター 置かせた 各クリーチャー」となります

……明らかにおかしいですね

こういう場合は何かしら前提が間違っている時です
今回は「put」が動詞の原形ではなく過去分詞の様です
(MTGでもよく使う動詞「put」や「cast」等は原形、過去形、過去分詞が同じなのでややこしい)
この「主語 have 名詞 done」の形の使役動詞の意味は
主語 が 名詞 を done される
なので、先ほどと同じように関係代名詞と「had」の部分も含めると
「名詞 を done された 主語 」
つまり「二段攻撃カウンター 置かれた 各クリーチャー」となります
これなら自然ですね

更に「on it」なので「それの上に」、「this way」は「これにより」も併せて
「each creature that had a double strike counter put on it this way」は
「これによりそれの上に二段攻撃カウンターを置かれた各クリーチャー」
となり、このカードはそれらを「goad」するみたいです


では、その肝心のキーワード処理「goad」の注釈文を
「Until your next turn」は「次のあなたのターンまで」
「those creatures」は「それらのクリーチャー」
つまりは「goad されたクリーチャー」の事ですね
「if able」の意味は「可能なら」なので
「attack each combat if able」は「可能なら各戦闘で攻撃する」
#38でもやった「other than ~」の意味は「~以外」なので
「attack a player other than you if able」は
「可能ならあなた以外のプレイヤーを攻撃する」となります

まとめると
「次のあなたのターンまで、goad されたクリーチャーは可能なら各戦闘で攻撃し、可能ならあなた以外のプレイヤーを攻撃する」
となり、このキーワード処理「goad(ゴード)」の意味は「使嗾」です

……いや、読めんわ!!!

MTGの中でもトップクラスに読めないこの熟語の読み方は「しそう
意味としては「嗾す(そそのかす)」や「嗾ける(けしかける)」
まぁだいたい「煽動」って感じです
概ね直訳なんですが、どっちの言語でもそんなに使わない単語ですね


overload

下のキーワード能力がこちら

Overload (4)(R)(R)(R) (You may cast this spell for its overload cost. If you do, change "target" in its text to "each.")

助動詞「may」は「してもよい」なので
「You may cast this spell for its overload cost」は
「あなたはこの呪文をこれの overload コストで唱えてもよい」
「for」なので代替コストですね

「If you do」は「そうしたなら」
「change "target" in its text to "each."」
つまり「これのテキストの中の『対象の』を『各』に変える」
これは、なかなか珍しい文章変更効果ですね
今回のカードの場合は
対象のクリーチャーの上に1個の二段攻撃カウンターを置く」

クリーチャーの上に1個の二段攻撃カウンターを置く」
になるわけです
ド派手な効果に早変わりですね

まとめると
「あなたはこの呪文をこれの overload コストで唱えてもよい。そうしたなら、これのテキストの中の『対象の』を『各』に変える」
このキーワード効果「overload」の意味は「超過


代替コストで文章変更効果は、#36でやった「Cleave(切除)」に近いですね


おまけのhomework

今回のおまけ問題はこちら

《文章交換》

ジョークセット「Unfinity」収録のカードです
銀枠(どんぐりシンボル)では無いので、通常の対戦で使えます

このカードの効果を自力で出来る範囲で訳してみてください

ヒントとしては

  • 動詞「exchange」は「交換する」

  • 「as long as」は#8、「remain」は#45でやりました


訳し終えたら各自wiki↓等で答え合わせしてください


それでは、また次回

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