#83 誰でも読めるMTG英語 「熊」じゃない bear
今回のカード
今回はこちら
6/23発売の「The Lord of the Rings: Tales of Middle-earth(指輪物語:中つ国の伝承)」収録のカードです
コラボセット特有の変わったキーワード処理を有したカードですね
割と複雑な効果なので、今回はその詳細を中心に訳していきます
the Ring tempts you と Ring-bearer
まずは、カード自体の効果を訳します
上の効果から
「at」は誘発型能力の「時」ですね
「At the beginning of your upkeep」なので「あなたのアップキープの開始時」
「the Ring tempts you」が一纏まりでキーワード処理
動詞「tempt(テンプト)」の意味は「唆す」や「誘惑する」の様な意味です
名詞化した「temptation(テンプテーション)」はカタカナで使われたりしますね
なので、このキーワード処理は「指輪があなたを誘惑する」となります。
指輪物語のストーリーを知らないと、正しいのか不安になる様な文章ですね
下の効果はこちら
「whenever」も誘発型能力で「たび」
動詞「choose」は「選ぶ」なので「you choose」で「あなたが選ぶ」
この「as」は#38でやった様な「イコール」の意味で
今回で言えば「a creature」と「your Ring-bearer」を結んでますね
「bear」は名詞だと「熊」ですが、動詞だと「持つ」等を表すので
「Ring-bearer」で「指輪所持者」となります
ここまでをまとめると
「あなたがクリーチャー1体をあなたの指輪所持者に選ぶたび」ですね
助動詞「may」は「してもよい」、動詞「pay」は「支払う」なので
「you may pay 2 life」で「あなたは2点のライフを支払ってもよい」
「if」はスタックに乗らない「なら」なので
「If you do」は「そうしたなら」
「draw a card」は「カードを1枚引く」
訳した部分だけを見れば非常にシンプルですね
ですが、「指輪があなたを誘惑する」がどういう効果なのか
「指輪所持者」とは何なのか、その辺の説明が一切ありませんでしたね
その理由は『注釈文では書ききれないほど複雑で長いから』
はい、ここからが本番です。
じっくり丁寧にその内容を訳していきます
代名詞one
このセットのトークン枠?に説明のカードがあるので、それを訳していきます
まずは「指輪があなたを誘惑する」の処理の内容を説明してる上の四角から
「As the Ring tempts you」から始まっていますね
この「as」は「イコール」の解釈で、「the Ring tempts you」と「この後の文章」を結んでいて
つまりは「この文章は『指輪があなたを誘惑する』の内容を説明していますよ」って事ですね
「emblem」は#29でやった「紋章」なので
「you get an emblem named The Ring」で
「あなたは The Ring という名前の紋章を1つ得る」となります
紋章やカウンター等の名前は処理に影響する事があるので、訳す時は日本語カードでの正式な表記を確認する様にしましょう
今回の「The Ring」の日本語訳は普通に「指輪」です
「if you don't have one」と続いているので「それを持っていないなら」
「それ」が指すのは「指輪という名前の紋章」ですね
難しい事はありません。日本語に訳す時の感覚としては、ほぼ「it」です。
何故ここでは普段カードテキストで使ってる「it」 ではなく、わざわざ「one」が使用されてるのかと言えば
ここで「it」を使ってしまうと、「それ」が指すものが「今から得る指輪という名前の紋章」になってしまうからです
これから得るものを今持ってないのは当然なので「それを持っていない」という場合が発生しなくなってしまいますね
この説明で寧ろ混乱したという方は、既に感覚的に理解されてる方だと思うので、己の感覚をそのまま信じて大丈夫です
「then」の意味は「その後」
「 your emblem gains its next ability」は「あなたの紋章はそれの次の能力を得る」
「紋章の次の能力」というのが言語的に理解しづらいので視覚的に理解しましょうか
今訳している説明カードの裏面に書かれた、指輪という名前の紋章です
この様に4つほど能力が書かれているので、これを順番に得ていくという事ですね(能力の内容はおまけに回します)
「you get an emblem」の時点では指輪は何の能力も持っていないので、この「gains its next ability」の文章の段階で初めて能力を入手するという感じですね
(この処理の間にスタックを挟まないので同時みたいなもん)
「you choose a creature you control」で「あなたはあなたがコントロールするクリーチャー1体を選ぶ」
動詞「remain」は#45でやった「であり続ける」なので
「to become or remain your Ring-bearer」で
「あなたの指輪所持者になるか、指輪所持者であり続けること」となります
「指輪所持者」とはつまり「ここで選んだクリーチャー」の事ですね
まとめると
「指輪があなたを誘惑するとは、あなたがそれを持っていないなら指輪という名前の紋章を得る。その後、その紋章はそれの次の能力を得て、あなたはあなたがコントロールするクリーチャー1体をあなたの指輪所持者にするか、指輪所持者であり続けることを選ぶ」
となります
長めの文章に感じましたが、ほぼ既知の表現なのでそこまで難解でもありませんね
この調子で下の四角の内容も訳していきます
even if と 接続詞once と at a time
下の四角の内容をまとめたものがこちら
内容自体は上の四角の補足説明みたいなものなので、そう難しい事は書いてありません
それでは1つ目の文章から
「The Ring can tempt you」は「can」が付いただけなので「指輪はあなたを誘惑できる」
「even if ~」の意味は「~だとしても」なので
この後に続く文は条件に当てはまらない可能性を考慮されるもの
「you don't control a creature」は「あなたがクリーチャーをコントロールしていない」
「指輪があなたを誘惑する」は「あなたの指輪所持者を選ぶ」動作も含まれているので、「クリーチャーが居ないと駄目かな?」みたいな可能性を考慮されるかもしれないけど大丈夫と。そういうわけですね
では2つ目の文章
「The Ring gains its abilities」までで「指輪はそれの能力を得る」
「in order from top to bottom」は#27でやった単語の組み合わせですね
「上から下への順番で」という感じでしょうかね
「once」は副詞だと、ただの「一回」という意味ですが
接続詞になると「一度~すれば」等の意味になり
「Once it gains an ability」で「一度それが能力を得れば」
「it has that ability」で「それはその能力を持つ」
「the rest」も#27でやった「残り」なので
「for the rest of the game」で「そのゲームの残りの間」
まとめると
「指輪はそれの能力を上から順番に得る。一度それが能力を得れば、それはそのゲームの残りの間その能力を持ち続ける」
みたいな感じですね
3つ目の文章
「each time」の意味は「毎回」
「たび」を意味する「whenever」とほぼ同じですが、こちらを使うと誘発型能力になってしまうので敢えて変えてるのでしょう
「Each time the Ring tempts you」で「指輪があなたを誘惑する時は毎回」
助動詞「must」は「しなければならない」なので
「you must choose a creature if you control one」で
「あなたがクリーチャーをコントロールしているなら選ばなければならない」
何に選ぶかと言えば「指輪所持者」ですね
代名詞「one」は「a creature」が具体的に「どれ」かを指してないから使われてる感じです
それでは最後の4つ目
「Each player can have only one emblem named The Ring」は
「各プレイヤーは指輪という名前の紋章を1つしか持てない」
「only」と限定する単語が使われてるので、「can」ですが否定文の様に訳すのが自然ですね
「at a time」は先ほどの「each time」や#61の「an additional time」の様に可算名詞なので「時」ではなく「回数」を表しているので「一度に」となります
「only one Ring-bearer at a time」なので「一度に1体の指輪保持者」ですね
おまけのhomework
今回のおまけ問題はこちら
はい、指輪という名前の紋章です
これが入手する4つの能力を出来る範囲で訳してみてください
ここでは幾ら間違えても問題ありませんので
ヒントとしては
ここに出てくる「blocked」は全て過去分詞「ブロックされた状態」
「whenever」と「at」は誘発型能力
訳し終えたら各自、公式の読み物↓等で答え合わせをお願いします
それでは、また次回
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