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#32 誰でも読めるMTG英語 half の端数の行方

half と round up

今回のカードはこちら

《グール呼びの収穫》

「Innistrad: Midnight Hunt」収録のソーサリーですね

早速1つ目の効果から訳していきます

Create X 2/2 black Zombie creature tokens with decayed, where X is half the number of creature cards in your graveyard, rounded up.

動詞「create」で始まってるので#15でやったトークン「生成」能力

トークン生成の指定は
数、(スタッツ、)色、サブタイプ、パーマネントタイプ、の順番なので
「X 2/2 black Zombie creature tokens」は
「X個の2/2で黒のゾンビクリーチャートークン」
を生成する事になりますね
「with decayed」と続いてるので
このトークンはキーワード能力「decayed を持っている」様です
(「decayed」については後でやります)

「where X is」は#23でやったXを定義する文章ですね

「the number of creature cards in your graveyard」は
そのまま「あなたの墓地のクリーチャーカードの枚数」
half(ハーフ)」の意味は当然「半分」ですので
「Xはあなたの墓地のクリーチャーカードの枚数の半分」
となります

ここまでをまとめると
「decayed を持つ」「X個の2/2で黒のゾンビクリーチャートークンを」「生成する」
「Xはあなたの墓地のクリーチャーカードの枚数の半分」
となります

大体はこれでOKですが、整数の割り算では厄介な物が発生します
そう「余り」です

つまり残りの「rounded up」が、この余りをどうにかする部分なわけです
余りに対する動作で「up」なので、普通に考えて「切り上げ」ですね
つまり墓地に3枚あれば2体、21枚あれば11体生成する感じです

「rounded」と過去分詞なので、ニュアンスとしては
「Xは端数を切り上げた~の半分」って感じでしょうか


decayed と 遅延誘発型能力

それでは放置してたキーワード能力「decayed」を訳します
注釈文がこれの説明にあたりますね

(A creature with decayed can't block. When it attacks, sacrifice it at end of combat.)

主語「A creature with decayed」は「decayed を持つクリーチャー」
つまり、これが「decayed」の注釈文である事を説明しているんです

「can't block」は「ブロックできない」

When it attacks」は「when」で始まってるので誘発型能力
「それが攻撃したとき」の攻撃誘発ですね
解決される能力が「sacrifice it at end of combat」
なので「戦闘終了時にそれを生け贄に捧げる」となります
注目すべきはこれに「at」が含まれてる点
この「at」も誘発型能力を示す時に使われる単語です

なので、これは
『攻撃時に「sacrifice it at end of combat」がスタックに乗り
それが解決されると、戦闘終了時に「sacrifice it」がスタックに乗る』
いわゆる遅延誘発型能力となります

いろいろと小難しく言いましたが要するに
when」「whenever」「at」のどれかがあれば
ほぼ間違いなく誘発型能力だということです


まとめると「decayed」とは
「decayed を持つクリーチャーは」「ブロックできない」
「それが攻撃したとき」「戦闘終了時にそれを生け贄に捧げる」
となります
要するに「腐乱」ですね

英単語「decayed(ディケイド)」とは
動詞「decay」の過去分詞で「腐敗した」の様な意味です
(読み方から連想する奴は「10年」を意味する「decade」なので全く別の英単語です)


Flashback

最後にキーワード能力「Flashback」の注釈文を訳しましょう

(You may cast this card from your graveyard for its flashback cost. Then exile it.)

助動詞「may」は「してもよい」なので
「you may cast」で「あなたは唱えてもよい」
「this card from your graveyard」は「あなたの墓地にあるこのカード」
「for its flashback cost」は「これのフラッシュバックコストで」
となります

「then」は「その後」なので
「Then exile it」は「その後これを追放する」となります

「flashback」自体がそのまま「フラッシュバック」なので割りと簡単ですね


おまけのhomework

今回のおまけはこちら

《ハイドロイド混成体》

このあいだ発売した「Double Masters 2022」収録のカードですね

ヒントとしては

  • 「round up」で「切り上げる」なので「round down」は……

  • 「each time」は直訳すると「各回」なので意訳すると「それぞれ」となります

答えはこちらで確認できます

それでは、また次回

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