道徳教育に思うこと

みなさんおはようございます。

「道徳」という教科は皆様ご存知ですか?そして、なにをする教科か説明できますか?

おそらく最初の問いにはほとんどの方がイエスと答えるでしょう。では、次の問いに正しく答えられる人はどれぐらいいるでしょうか?

先に、典型的な間違いの例を挙げておきます。「なにをする教科か→日本人として正しい価値観を学ぶ教科、倫理や規範を学ぶ教科、礼儀を学ぶ教科、こうあるべき姿を学ぶ教科など」

上記はすべて間違いです。しかし、そう少なくない人は、上の認識を持たれているのではないでしょうか?しかし、正解はこうです。

「なにをする教科か→22(校種による)の内容項目にバランスよく扱い、他者との議論を通して異なる考えに触れ、自分の考え方や価値観をアップデートする教科。」

つまり、道徳は、
① 正しい価値観を教える教科ではない
② 自分自身で答えを見つけるのがゴールである
というものなのです。(文科省も同じことを言っています)

実際には、現実は教科書にある価値観を「正しい考え」のように教え、対立する考えなどを道徳性がない考えとして良くないものと扱う指導者もいます。しかし、対立する考えにも背景があり、多数派の考えとは相違があってもそこには明確な理由が存在します。そういう意味では、マイノリティな考えを非難するのは果たして「道徳性」がある行為であると言えるのでしょうか?

例えば、
「電車でお年寄りに席を譲るべきである」という問いで、「A 譲るべきだ」「B 譲らないべきだ」という選択肢を与え議論させた場合、おそらくはAが大多数になるでしょう。しかし、Bを選ぶ理由にも「譲ることで年寄り扱いされて不快な人がいるからそれなら譲らない方がいいのではないか」という一理ある意見が出たり、「C ケースによるのでは」という選択肢を出す子がいたりと様々な想定が考えられます。これは果たして悪い考えでしょうか?

こうして、道徳的に多数派の考えは、「普通」と言われるようになります。果たして、その「普通」に反する行為を非難することは、道徳的だと言えるのでしょうか?


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