近澤研郎

大学病院産婦人科医。婦人科腫瘍専門医。内視鏡技術認定医。臨床疫学会認定専門家。 解剖学…

近澤研郎

大学病院産婦人科医。婦人科腫瘍専門医。内視鏡技術認定医。臨床疫学会認定専門家。 解剖学研究、疫学研究に従事。 最新の論文・医学情報を発信。

最近の記事

そのアスピリン、本当に必要ですか?

ASPREE試験は、とりあえず脳梗塞心配だから高齢者にアスピリン、寿命伸びそうだからアスピリン、のなんとなくアスピリンを否定した重要な試験なのですが、未だ患者さんがそれらを理由に何の説明も無く飲んでるケースを経験します。手術の時に困る外科医も多いと思います。 今年JAMAで続報も出ましたので、一度整理しておこうと思います。 NEJMは日本語もありますので、是非読んで頂ければと思います。 以下まとめ 健康な高齢者への低用量アスピリンは、無障害生存期間を延長せず、癌の罹患を増や

    • 安全な無痛分娩に集約化が必要な理由

      無痛分娩の普及は難しいです。働き方改革を守り24時間体制で行うには、産科専属で当直してくれる麻酔科医が8人は必要になります。また無痛分娩では麻酔薬投与時に疼痛が取れることでカテコラミンが減り急に児心音が落ちたり、鉗子吸引が必要になることも多く、無痛の経過を見慣れた分娩担当の産婦人科医が1人専属で必要になります。この医師は婦人科急患や搬送を取ることは難しいです。 当院のような周産期センターで、卵巣嚢腫捻転・子宮外妊娠等婦人科急患を取る場合は、2列目当直の医師が必要です。この時

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