かわいい男
会社にかわいい男が居る。てへっ。
酔っ払った勢いのカミングアウトでは、なぁい。
ビジュアル的にかわいいのではなく、
私にそっくりで先行き不安でしかなくてかわいいのだ。
かわいい、と言うか、
苦労するぞ…お前も
と、出きることなら教えてあげたい。
なんなら私の生きざまを擬似体験させてあげたい。
そういう技術、できないかなぁ。
見た目は、
お前まじ、それ会社員としてないわ
ってぶっとび気味。
けど、私は知ってる。
彼が誰よりも真面目に仕事に取り組んでることも、
決して手を抜かず妥協をしないことも。
見た目や言動に顔をしかめる人らより、
遥かに質の高い仕事をしている。
足元にも及ばない。
ただ、如何せんまだ若い。
感情をコントロールできないところがある。
それは私が捨て去ってきたところで、正直言うと羨ましい。
だけどそれを貫いて生きていくのはなかなかしんどい。
感情をコントロールできることを良しと言ってるわけではない。
が、そこを譲れないならすべて自分で抱え込んで、血反吐を吐いて
怒りを自分にぶつけてやっていくしかない。
周りにぶつけてはダメだ。
若い頃の私がそうだった。
だからきついのがわかる。
今そんなことを彼に言ったら、
おれ、それで構わないっすよ!
と言いそうだ。
不器用に生きてるなぁ、と自分に重ね合わせて思う。
もっと周りを受け入れたり妥協することを覚えたら楽になるのに。
けど、そんなことを彼に言うのは、おこがましいし、余計なお世話だ。
なので私は遠巻きに彼をフォローしてあげることしかできない。
自分がこうして欲しかったこと、
こういうとき周りがこうだったら、
あのとき理解してくれる人が居たら、
と経験してきたことをそっと、ササッと差し入れ感覚で彼に投げる。
なんだこれ、恋愛指南か?(笑)
自分が繊細で気を遣うからそれが当たり前だと思ってる。
だから周りにもそれを期待したり要求してしまう。
だからキレる。
私が見てても彼のキレる理由はすべて納得できてしまう。
ポイントが同じだから。
私は捨ててきた。残念とは思わない。
苦労して苦しんで学んだから。
だから、
違うんだよ、そこは。
お前は人より繊細だからそこまでできるんだよ。
そういってあげたい。
でもきっと若い頃の私と同じように、
他人の言葉には耳を傾けないだろう。
だからこっそり支える。
独りの時間と独りの空間がないと生きていけない俺ら。
あんたは家庭向きじゃない
と元嫁2に言われた話をしたら、
あっ!俺もそれ言われたことあります!彼女にも、友だちにも(笑)
なんて嬉しそうに言いやがって。
ちがうちがう、そんなに嬉しいことじゃない(笑)
ほんと、かわいいやつよ。
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