見出し画像

27【恋愛小説もどき×親友との思い出】

バイトから帰宅すると自宅が修羅場と化していた
最近私の妹(初登場)はやんちゃ盛りだと、
弟から話を聞いてはいた
夜になると彼氏に会いに出かけていくという
しかも、相手は10歳以上年上の妻子持ち
それを母が必死で引きとめているところだった

「もうダメやわ、、お手上げ、、お姉ちゃんお願い」
母は目に涙をため、私に妹の対応を依頼してきた
ちなみに私は妹と仲は良いものの、なめられまくっている
弟は妹と最近仲が悪いので、少し離れて様子を見守っている
弟の熱い視線が、私に期待していることを物語っている

「みんな心配してるし、今日はやめとくっていうのは?」
「えっ、あっちゃん(私のこと)も言うの?」

うわー、やっぱりきつい、、、でも弟が見てるから、頑張らねば!!

「うちらは、この後地獄を見るのが分かってるから、止めてるねんで 
 それに、成就する恋愛ばっかりじゃないねん、、、
 相手の事情を思って手をひくのも、愛やと思うねん
 後で、相手もきっと、ああそうかーありがとうって、分かると思うよ」
「あっちゃんの言うこと意味分からん過ぎ、話長すぎ」
熱弁したけどあかんなあ、と思った

と、その時、急に弟が大きな声を出した

「なんでやねん!!なんであっちゃんの言うことが分からへんねん!!!!
 あほちゃうか!!!俺でも分かるぞっ!!!なんで分からんねん、ぐす」

弟が泣いている!

妹は立ち上がり、そのまま静かに部屋に戻った
その後、妹の夜の遊びはぴたっとなくなった、、、
普段穏やかな弟の怒りの声と涙、効かないわけがない
妹が改心して、めでたし

というわけには、いかなかった、、、
その日、母から衝撃的な発表があった

私たち家族は、2チームに分かれ、別々に暮らす
チームAのメンバー:母、私、妹
チームBのメンバー:父、弟
チームAは大阪に残る、チームBは東京に行く
以上

ということだった、、、
いつも私にべったりで、姉離れができていない弟は
「あっちゃんと離れたくないよ~」と
先ほどより大きな声で泣き出した

私は放心状態だった
貧乏はもう慣れた、全然平気
でも、家族と離れるなんて、考えたことなかった

弟と父は来月から東京の町田というところへ行く
聞いたこともない知らない町だった

弟は初めは乗り気ではなかったけど、
都会に行ける魅力も感じ始めている
ベースを練習している弟は、
東京で仲間を見つけてバンドをやると言っている

「ライブにあっちゃん呼んで、口パクで‘’あっちゃん‘’って言って投げキッスしようか?あっちゃんの好きな曲やるからな」
 かわいいな
「成長して下の毛生えそろったら、あっちゃんに見せたるわ」
 ん?

弟はもう先を見ていて、夢を語っている
私はいつまでも、寂しかった
私の方が、弟離れできていないのかも知れない









 





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?