マルトリな親と育てにくい子

③3歳

流産に関することを書いています。
苦手な方や不必要な方はスルーしてください。


私の一番古い記憶は、3歳の時だ。
絶望と怒りと混乱で、地団太を踏み大声で泣いていた。
そうなった原因は覚えていないが、周囲にいる大人達に訴えても誰も聞いてくれず、一人煮え湯を飲まされた悔しさでダンダンと地面を踏んで暴れていたのを覚えている。

母は力づくで抑えようと、暴れている私に近づいた。
そのつもりはなかったが、膝が、母のお腹に当たってしまった。
「うっ」母はうずくまった。

父は私に言った。
「お母さんは妊娠してるんだぞ」
「お前がやったんだ」
「これでダメになったらお前のせいだからな」

おかあさんごめんなさい。わざとじゃないよ。
母はうずくまったまま動かなかった。

父はまた言った。
「お前のせいだからな」

だって誰も聞いてくれないからじゃん、どうして私の言う事は聞いてくれないの?
そう言いたかったが、泣きじゃくって言葉にならず、私はただ嗚咽していた。

2週間後、母は流産した。
父はまた言った。
「お前のせいでこうなったんだからな」
「言う事を聞いて大人しくしないから、お母さんはこうなったんだからな」

おかあさんごめんなさい。本当にごめんなさい。
母親を傷つけてしまった恐怖で、私は硬直した。

あかちゃんはしんだ、おかあさんもきずつけた、
私は謝ってもなおらないことをしてしまった。
どうしたらいいの、どうすれば良かったの。

頭の中が堂々巡りだった。

だったらどうして私の話は誰も聞いてくれないの?
聞いてくれてたら、あかちゃんもしななかったし、
おかあさんも傷つけなかった、
大人しくできないことがあったから一生懸命話してたのに、どうして聞いてくれないの?

私は分からなかった。今でも分からない。
聞いてくれないのに大人しくするって、どうすればできるのだろう。

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