架空の書籍の前書き『未来のためにできること』

昨今、ヨーロッパを中心に若者の環境テロというべき犯罪行為が話題になっている。芸術品や観光資源を棄損する行為で、その行為自体は非難されて然るべきである。

しかし、彼らを取り巻く言論環境を思えば不合理なテロルに手を染める理由
も理解できる。

環境問題悲観派は『このままでは地球がやばい』、というだけで解決策を提示しない。

その一方で環境問題冷笑派は『そうは言っても現実を見たら本当に必要なレベルの環境目標など達成不可能であり、折り合いをつけていくしかない』としか言わない。

個別には地球環境を改善するための研究についてのニュースは出ているが、双方の主張を並べた上、現在人類が置かれている状況を包括的に解説し、若者達に『人類全体が努力すれば未来には希望がある。そしてその努力は現在進行中である』というメッセージを送るため、この書物は執筆された。

この書物は毎COP会議終了毎に改訂版が発行され、現時点での最新の国際的な環境保護の取組、それが『やらないよりはまし』レベルであること、しかし、『本当に持続可能なレベルでの環境規制』を行えば現時点での我々の生活に重大な支障を及ぼすこと、そのギャップを埋めるために大人たちが今、どんな事を考えているかを説明していく。

この本で最も重要なパートは第三部である。第三部をみて、金を持っている年寄りたちは有望な研究に投資する。金を持っていない若者は自分が協力できる研究・新技術を研究している企業・団体に所属、協力できる様自己研鑽を行う。そして、第三部に『何が記載されていないか』こそが若者には最も重要である。そこにまだ記載されていない事こそ、彼、彼女にとって『未来のためにできること』だから。

この本は3部で構成される。
第一部
今次COP会議における成果、その成果が遵守された際の2100年時点での地球環境の詳細のおさらい。何もしないよりはましだが現在の気候変動の急激さを考えれば不充分なものであるということの再確認。

第二部
仮に、今後500年間に渡り地球環境に大きな悪影響を及ぼさないレベルまで環境負荷物質の排出を抑えた場合の社会の在り様の記述。これはおそらく非常に悲観的なものになる。

第三部
第一部、第二部のギャップを埋められる可能性がある新技術の紹介。第一部、第二部の数値とリンクし、第三部の新技術がものになれば第一部と第二部のギャップは埋められる。


#未来のためにできること

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