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#031『福の紙』やってみました。

 先日、Voicyで三好先生が紹介していた『福の神』ならぬ『福の紙』!こちらは、「学級あそび101」(三好真史著)にも載っていますが、今回はVoicyを聞いたことをきっかけに導入してみました。大きな成果を感じましたし、今後もしばらく続けていこうと思います。

福の紙とは

『福の紙』とは、学級の友達にこっそりいいことをして帰りの会に招待を明かすもので、子供達が進んで良いことをしたりバレないように他の人にも良いことをしてカモフラージュしようとしたりする姿が見られました。今回導入したきっかけの一つに転入生がいたこともあります。在校生の転入生とのコミュニケーションや転入生も在校生とのコミュニケーションの必然性が生まれました。しかも、影でこっそり行うのでハードルも下がり仲間化が図れたように思いました。

やり方〜準備はA4用紙2枚と袋のみ〜

 今回私が行った方法を説明します。
 まず、A4用紙2枚を4等分し、A6サイズの紙を8枚にします。その8枚の紙を各班班長に配り、班長がA6サイズの紙をさらに4等分します。班員は4人なので、その紙を1枚ずつ班員に配り、それぞれがその紙に生を書きます。あとは、クジにするため名前が隠れるように3回ほどそれぞれが折ったら、名前の書いた用紙を回収します。
 回収後、
「今から『福の紙』という活動をします。この一人ずつ名前の書かれたクジを取ってもらいます。書かれている名前は決して声には出さないでください。誰にも言わないでください。そして、今日一日そこに書かれた名前の子にこっそり福をもたらしてください。「その子にいいことをする」ということです。「消しゴムを拾う」「机の整頓をする」「笑顔で話しかける」何ができるか考えながらやると楽しいですよ。また、「こっそり、バレないように」するために、『福の紙』の相手以外にもいいことをするといいですね。みんなにいいことをすると、バレずに『福の紙』になれる確率が上がりますね。帰りの会であなたの福の紙の正体を明かします。「誰が自分の福の紙かな」と考えながら1日生活するのも楽しいですね。」
と説明し、クジを引かせます。
 子ども達は、夏休み明けにも関わらず一気にテンションが上がり笑顔になっていました。

日中の様子

『福の紙』を導入し、日中の様子を紹介します。
 1学期と比べて子供達の他者を意識する行動が増えました。休み時間になると全員の机を整頓する子、男女関係なくコミュニケーションを取ろうとする子、教師に「何をやったらいいのだろう。」と聞きに来る子、など相手意識が高まっていました。
 これまでは休み時間は、個々がやりたいことをやっていたのが、集団(相手)のためにやりたいことをやっている(考えている)姿が見られるようになったことが大きな成果だと感じました。休み時間は自由に過ごせば良いと考えてましたし、今もそう思います。しかし、今回の姿のように子ども達が自分の意思で「集団のために良いこと」をやることを止める必要はありませんし、そういった姿が見られる学級の絆は深まっていくと感じました。
 そして、何より子ども達が楽しそうです。友達が少なかった子も進んで動きますし、いつも同じグループで話していた子も違う集団にアプローチしていました。そして、転入生が導入前は「休み時間=座って様子見」だったのですが、導入日よりウロウロと動いたり周りの子が話しかけたりして嬉しそうでした。

帰りの会

 いよいよ帰りの会で『福の紙』の正体が明かされます。その時の子供達の表情が非常に良かったです。この時、「私があなたの『福の紙』でした。」というだけで何をしたかや、それ以上の話をする必要はないと言いました。仲の良い関係でしたらいいですが、異性で普段話すことのあまりない間柄だと、このコミュニケーションだけで大きなプレッシャーを感じてしまいます。だから、ここでは敢えてセリフを決めることで話しかける負担を減らすことにしました。
 また、『福の紙』として何をしたかを説明するような時間にしてしまうとその内容が人によって大小に分けられ、喜びが半減してしまうと感じたからです。実際に、「僕は何もできなかった。」とぼやいていた子に対しても「僕が『福の紙』でした。」と言いに行かせるだけで、相手の子は笑顔になっていました。(実際は何もしていないけれど、笑顔をもたらしたので『福の紙』ですね。

まとめ

『福の紙』のアクティビティは、自然と強制的に子供達同士のポジティブなコミュニケーションを作るため、非常におすすめです。
 年度初めや学級初めだけでなく、学期途中に行うことで、偏りかけた人間関係にストップをかけ、新たな関係を作るきっかけにもなると感じました。
「学級あそび101」(三好真史著)には、「一日十膳」「きらりハンター」と次にアクティビティも紹介されていました。そちらもぜひやってみたいと思います。

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